武蔵野政治塾コラム『小出裕章さん、武蔵野市で講演』
武蔵野政治塾 事務局長
橘 民義
久しぶりに小出裕章さんの講演を聞いた。
「いま、原発回帰を許さない」と言うタイトルで、主催は落合恵子さんのクレヨンハウス。
福島の事故で放出された放射能の量は広島の原爆168発分で、しかもその福島は12年経った今なお緊急事態宣言は解除されていない。一つ間違えば避難区域が東京にまで及ぶ寸前だった。
安倍総理でさえ原発を拡大することは半分あきらめていたように見えたが、岸田総理はウクライナから神風が吹いてきたという言葉のように、化石燃料の高騰を理由に再稼働・新設まで国会の論議なしに閣議決定した。小出さんは「岸田政権のでたらめ」と評した。
そして講演では他にも興味のある課題が話された。
一つは核融合。
先月アメリカエネルギー省は核融合の実験で画期的な進歩があったと言う発表をした。
私は会場で小出さんに核融合は現実的な話かと質問した。
その返事はものすごく明快だった。
「核融合はできないし、またやってはいけない。」
困難な技術に挑戦するのが技術者だが、高速増殖原型炉もんじゅが失敗したように、何兆円もかけて結局は出来ませんでしたと言う結果になってしまう。
その間何回も事故を起こす。
そもそも核融合は太陽そのもので、そのエネルギーは地球全体に降り注いでいて、それが太陽光発電、風力発電、バイオマス、すべてのもとになっている。小さい太陽を地球に作ることは必要があるのだろうか。
もう一つは、二酸化炭素。
小出さんのものすごく明確な発言にびっくりした。
私は「二酸化炭素は地球温暖化の原因だと思ってない」
小出さんの説明によると地球の大気温度の上昇は1800年代の初めごろから上昇し続けていて最近になって急に上昇しているのではない。
また二酸化炭素の排出量が急に多くなったのは第二次世界大戦後であってその前は少なかったのに、同様に地球の温度は上昇してきていた。
これを2つのグラフを見せて説明をした。
これは小出さんとしては持論なのだろうけど、だとすると国連を始め世界の国々が二酸化炭素減少に向かっている努力は全く意味のないことなのだろうか。
小出さんの講演はいつも明快で流暢だ。
感動さえよぶことが多い。
さてこの二酸化炭素の話はどうなのだろう。
皆さんはどう思いますか。>>