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NEW!!【活動報告】第23回「統一教会と政治を考える」質疑応答篇

質疑応答編は、小川淳也さんの司会での質疑応答です。

■統一教会問題追及のモチベーション
会場の方1
1点ちょっと補足でお伺いしたいのですが、鈴木エイトさんが統一教会の問題を追及しているモチベーションとなっているのは被害者の問題であるとのことでした。もう少し詳しく教えていただきたいと思います。

長年取材していくなかで、実際に被害に遭われた方、ご家族が被害に遭われた方、脱会したご本人の思いなどを聞いてきましたが、これが社会にまったく伝わっていない状況がありました。
本来、声を上げられない被害者の声を拾うのは、政治家やメディアの役割のはずですが、それがなされていないことによって、被害者がどれだけの絶望を抱いたのか。その思いがモチベーションとなっています。
山上徹也被告を擁護するわけではないんですが、その絶望感があの事件につながったのだとしたら、そういう被害者をいかに救済していくかが大事だと思っています。そういう点においても、被害者がいちばん大事です。
「この団体はカルトだ」と頭越しに名指しして、否定しているわけではないんです。いろいろな被害をボトムアップしていくなかで、これだけの被害が集まっているからこの団体はカルトと言っていい、ということになります。
人権侵害のある被害者がいること、その被害を受け止めること、被害者が第一なんです。そこを基準に考えています。

■トランスジェンダー叩きに統一教会は関わっているのか
会場の方2
SNSでトランスジェンダー叩きがすごいです。LGBT差別もものすごいです。
LGBT理解増進法にも統一教会関係の意見がものすごく入っていると思っています。こども庁は、こども家庭庁になってしまいました。
私は何よりも日本国憲法を守るという意味でも、象徴天皇制はすごく大事にしています。男系男子継承が堅持されてきましたが、これからは、性別の垣根を越えて女性天皇を認めるべきだと思っています。
さまざまな意味で、カルト宗教、統一教会や日本会議が関わっていると思っているのですが、鈴木エイトさんのご意見を聞かせいただきたいと思います。

統一教会に限らず「宗教右派」といわれるところが、ずっとずっとそういう運動をしています。こども庁がこども家庭庁になった経緯も、直接、どこかの団体が何かをしたからではないのかもしれませんが、そういう団体は、こども家庭庁になったことを、あたかも自分たちの成果であるかのように、喜んでいます。山谷えり子さんなどが、こういう団体の要望を受けていたと言われています。
LGBT理解増進法に関しては、稲田朋美さんがある程度動かれたことで、右派の人たちから思いっきり落選運動をされました。稲田朋美さんは、いまの状況を見て、こういう人たちに逆らうとこうなるのかと、身にしみていると思います。そういう点からしても、極端な偏った思想の保守の人たちの動きをどうやって排除していくかが、まず大事なのかなと思います。そのためにも有権者は投票率を上げることです。
東京の杉並区では、かなり投票率が上がって女性票も増えたことで、区長は女性になりました。どんどん変わっていくことが見えているわけです。そういうところから民意を反映していくしかないのかなと思っています。
トランスジェンダーに対する差別は、カルト問題に関わっている人たちも、かなり曲解してるようです。カルト問題と構造が似ているところもあるんですが、扱い方が難しいなと感じているところであります。
基本は、被害者目線で、どうやって弱い立場にいる人たちを守っていくかという視点からやっていくべきだというところは変わらないと思います。
そういう問題にも首をつっこんでいこうと思っています。

■安倍元首相銃撃事件をどう考えるか
会場の方3
教育に携わる仕事をしており、若者と触れ合う機会があります。有権者として責任を持てるようにしようと、政治についても話しているんですが、先日、「より良い社会をつくるためには、元首相があのようにお亡くなりになったのはよかった」と話す30代がいました。
その時に、「私たちの国は法治国家である」ということ、「生きる権利を守る必要がある」と話したんですが、エイトさんだったら、どのように彼らに言葉を投げかけるでしょう。

その30代の方の意見とは、安倍元首相への銃撃事件によって、統一教会の問題を多くの人が知るようになって、理解も深まったという点で、社会としてはより良い方向に進んだのではないか、そのきっかけになったのではないかという意見だとの理解でいいでしょうか。
もし僕が、その30代の人に言われたとしたたら、まず、彼に謝ろうと思います。
僕がこの問題をもっと早く社会に問うことができていたら、安倍さんもああいう形で亡くなることはなく、生きたまま追及できたし、山上徹也という人間を犯罪者にすることもなかったんじゃないか。それは僕の力不足だったのではないかと、彼に謝罪をしようと思います。
その上で、こういう事件が起こるまで、誰も声を上げていなかったわけではないんです。被害者は声を上げていたし、僕も無名ではありましたけれども、記事も書いて発表していました。そういう状況だったにもかかわらず、政治家はまったく意に介さず、メディアも関心を持ってくれなかった。弁護士の紀藤正樹さんなども、「こういう団体と付き合うことの重大性を政治家の先生方に理解してもらえなかった、自分の力不足で悔しい」とおっしゃっていました。僕もまったく同感です。
本来、誰ひとりとして悲しむ人が出ないような形で、ちゃんと社会問題として顕在化、可視化していく必要があった案件なんです。
いろいろな議論がまぜこぜになってしまっている状況で、ぜんぶすっ飛ばして、「山上被告が起こした事件によって社会がいい方向にいった」という、最初と終わりだけを提示してしまうと、非常に乱暴な結論になってしまいます。
いろいろなことがあります。そこをすべて吟味した上で、そういう結論、そういう感想を持つとしても、でも、そこは違うのではないか、もっと早くできたのではないかとか、いろいろな議論ができるんです。その議論を尽くしたいなと思います。
「鈴木エイトは有名になれて山上徹也に感謝しているんじゃないか」と言う人もいますが、そんな単純な話ではないです。僕としては、安倍さんに申し訳ないという気持ちでいっぱいです。山上徹也が犯罪者になってしまったことが大変心苦しいという思いです。
安倍晋三という人を、政治家としては決して評価はしていませんが、生きている安倍さんを、ちゃんと追及したかった。
もし安倍さんが生きていたとしたら、ここまでいろんなことが進んでいたのかどうかは分かりません。僕の声なんて多分、潰されてしまっていたかもしれない。そう考えると、非常にシニカルな状況でもあることは確かなので、そこは早々に安易に結論を出す話ではない。ずっと考え続けなくてはいけないことだと思っています。

■立憲民主党にも統一教会と関わりのある政治家はいるのか
会場の方4
政権交代をすることが必要だと思って、活動しています。
統一教会の件では、立憲民主党のなかにも、関わってる人がいたら大変なのかなと思うんですが、大丈夫なのかどうか教えて下さい。

民主党時代の鈴木克昌さんはズブズブでしたし、推薦されている人の中にも立憲民主党の千葉の人がいます。
ただ、関わりの形、ズブズブなのか悪質性があるのかなとは、いろいろ違います。点と点のつながりをあげつらうことも重要なんですけど、線と線がつながっているのか、面になっているのか、そこを包括的に見ていくべきだと思います。
自民党ばかり追及しているというのは、ちょっと誤りです。僕は鈴木克昌さんを、ずっと追及しています。引退したとしても、やめるつもりはありません。
今後も、たとえば小川さんに統一教会との接点があったとしたら、容赦なく追及します。【笑い】
僕は別に立憲民主党を支持しているわけでもなく、どこの政党に対してもフラットと付き合っていいます。もちろん、今回呼んでいただいた恩義も忘れませんが、根本的に自分はジャーナリスト、報道に関わる人間としての姿勢をはっきりとさせた上で活動していきます。
共産党をカルト的だとした記事も出しているので、右の人からは左と言われ、左の人からは右と言われる、非常に変な立場なんです。
実際、遠慮なくやらせていただきます。

■政治家が統一教会を知らないはずがない
ここで、小川淳也さんが発言されました。

私の世代はちょうど大学に進学した時に、渋谷の駅前などで声をかけられた世代なんです。大学内では、原理研究会が相当な勢力でして、相当警戒していました。同時に、桜田淳子さんの合同結婚式などがメディアで大きく報じられた時代でした。
つまり、統一協会とか原理研究会というものに対して、相当「危険だぞ」「怪しいぞ」と警戒しなければいけないと刷り込まれた世代なんです。なので余計に、同世代の政治家がたくさん関与していることが考えられないんです。通常、きちんとアンテナを張っていれば、予防線をしっかり張らなければいけない領域なんです。
それが真っ当に、普通にできていないということ自体が、政治に携わる資格がない。それぐらい、ここは厳しく思っています。
もうひとつ、とはいえ、どういう団体とどこで誰とどんなつながりがあるかを本人がきちんと把握していることと、外形上、それが結果として表れることは、こういう活動をしていると、やっぱりさまざまです。
最近の盛山さんを見ていても思います。
それから派閥と金の問題を見ていても思うのですが、政治家は、「知りませんでした」とか、あるいは「秘書に任せていました」とか、「私は関与していません」とかが通用しない、外形的な結果責任をとらざるを得ない仕事なんです。
そこに対する認識が極めて甘い。外形的な結果責任を常に背負っている。だからこそ警戒をし、用心もするのが当たり前だという政治文化なり、政治家としての資質を、国民の皆様から厳しく、見届けていただかなきゃいけない。この点に関してはそう感じています。

鈴木エイトさんも、「盛山さんは偏差値が80で、東大にいた頃は、いちばん原理研が激しかったので、知らないわけがないんです」と補足します。

■勧誘を受ける若い世代にどう教えたらいいのか
会場の方5
私も徳島駅前で何か変な勧誘を受けたことがありましたが、連れ去られることはなく、何もなくて終わったんですが、子どもたちが、団体名を隠しての勧誘を受ける可能性があるのかなと思います。
いま問題になっているので、厳しくなっているかもしれませんが、子どもたちにも教えたいと思いますので、今後、どうなっていくのでしょう。
社会教育の担当をしていまして、社会問題ということをテーマに何か講演会を設定したいと思っているんですが、どういうテーマが切り口としていいか、いいアイデアがあれば教えてください。

高校生ぐらいからいろいろなカルトの勧誘がありますし、大学生になると、マルチの勧誘もあります。まずは、簡単に個人情報を教えない、その場で判断しないことが大事です。保留して、「ひとに聞いてからにします」とか、そういうクッションを置くように、といつも言っています。
親元を離れて都会に出てくる人たちは、特に狙われることになるので、変化がないか、こまめに見てほしいと思います。
統一教会に限らず、摂理とかマルチとかいろいろな勧誘があり、それで人生、人格が変わってしまうことはいくらでもあります。気をつけなければいけないことはキリがないです。
春になるとまた勧誘が始まるので、情報を発信していきたいと思います。
講演のテーマについては、何かキャッチーな話、みんなが興味を持ってもらえるものだと、多くの方が来そうですね。また呼んでいただければ【笑い】。

最後に、再び小川さんが話します。
政治とカネの問題についてですが、政治は相当、ゆがめられてきたんだと思います。派閥によって人事も相当、ゆがめられてきたんだと思います。そして、この30年の日本政治と日本社会の遅れは、こうした政治のゆがみと直結したことだと思います。
この国は、望まないご夫婦も含めて単一の姓を名乗らなければいけないんですが、そうしたことにも、カルト教団から、少なからぬ影響を受けてきたのではないかという疑いがあります。
裏ガネ問題は、検察にもっと頑張ってほしいんです。国税も意を決して調査に入ってほしい。
しかし、私たちは直接、検察や国税をコントロールする権能、権限を持っていません。憲法上もそうです。
しかし、やがていずれ、主権者たる国民にボールが返ってきます。
裏ガネ金で、派閥で、教団との癒着で、国政を少なからずねじ曲げてきた人たちに、最終的に政治責任を取らせるのか不問に付すのか。最終的には、有権者に返ってくる。
投票行動を通して、今回言い逃れ、責任逃れをしている人たちには退場していただき、結果責任を取らせるんです。
その力は、ほかでもない私たち有権者こそが持っています。
そうしたことを思い起こさせるように、私ども野党も、しっかり頑張らなければいけないと思います。

最後に鈴木エイトさんから
二階幹元事長の50億円の政策活動費の問題がありまして、支出のなかには、右派の論客たちの本の大量購入があります。でも、僕の本は、政務活動費から購入してもらっていません【笑い】。今日、話した内容が書かれていますので、購入していただけるとありがたいです。

冷静で、ときにユーモラスに笑わせる鈴木エイトさんと、熱く厳しい口調の小川淳也さんの掛け合いもあり、なごやかなうちに終わりました。

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