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活動報告

NEW!!【活動報告】第39 回「政治の病、放っておけない!~いのちを守る政治の実現とは~」「小池晃×橘民義」対談・質疑応答レポートを公開!

小池晃さんの講演の後は、武蔵野政治塾の橘民義・事務局長との、対談です。

橘  今日は、なんと、とうとう共産党の小池晃さんの登場です。これまで立憲民主党の方、れいわ新撰組の大石晃子さん、前回は社民党のラサール石井さんなど、いろいろな党の方が来てくださいました。そこで小池晃さんにお会いした時、ちょっと冗談半分で「来てよ」と言ったら、二つ返事で「行くよ」と言ってくださった。本当にスッキリした人だなと思いました。いまのお話も、裏で聞いていましたが、すごくいい話で、分かりやすかったですね。

■高市内閣の支持率はなぜ高い
橘 何か新党ができるらしいですが、変な名前にしないで、「反戦党」とか「戦争しない党」とかにすればいいんだと思うんです。そのほうが分かりやすい。
昨年秋、10月21日、高市さんが国会で総理大臣に指名され、高市内閣ができました。10月21日は、10・21国際反戦デーです。そう言ってもあまり関係ない人がたくさんになってしまいましたが、私がちょうど学生の頃は学生運動が盛んで、10月21日になるねと、いろんなデモがあちこちにあって、すごいことでした。その日に、反戦とはほど遠い高市さんが総理大臣になると言う皮肉から、出発したわけです。
日本で初めての女性の総理です。その前に、実は10月10日に、公明党が連立を離れると高市さんに伝えてあるわけなんです。そして、10月20日、21日の1日前に、やっと維新の会と連立政権の合意書が作られたと、そういう流れになって、今の政権があるんです。
なぜか高市内閣は支持率が高いんですよ。なぜでしょうね。皆さん、いろいろ意見があると思いますけど、小池さん、なぜだと思いますか。

小池 根拠のない支持だと思います。ふわっとしているんです。高市さんを支持している人に、「なぜですか?」と訊くと、「いや、別になんとなく」みたいな。やっぱり、女性の首相だからということはあると思います。初めての女性の首相だということで、そういった期待はあると思うんですが、やっている中身に対する期待は、私はあまり聞いたことがないと思いますね。

橘 テレビで見ていても「これだ!」っていうのがないんですよね。近いかなと思ったのは、いま7割以上の国民が「反中国」だそうで、その中国に対して、先ほどの話にありましたが、ケンカ売っていくみたいなことに対して、スッキリ感があるとかいう、あまり良くない支持じゃないかと思います。

小池 いや、それは大きいと思いますよ。中国を悪者にすることによって自らの支持を引き上げるって、ちょっとはしたないと思いますよ、はっきり言って。今までそういったことをやった首相は、いないんじゃないかな。

橘 私はそれもそうだと思うんですが、ずっとテレビを見ていて、高市さんは首相になった途端、ものすごく笑顔が増えたんです。作り笑顔というか、とにかくいつ見ても、ニコニコしているんです。あれに、何かこう騙されてんじゃないかなという気がしてしょうがないんです。高市さんのことを言ってもしょうがないんですが、小池さんが見て、高市内閣は、さっきのお話にもありましたけど、何が一番怖いと思いますか?

小池 何が怖いか? 高市さんが怖いですね。やっぱり、総理大臣になってはいけない人がなったんじゃないかなと、そういう気がするんです。イデオロギー的には本当に対極にあります。けれど、それ以前に、何て言うか、総理大臣としての立ち居振る舞いというか、何か総理大臣としての準備ができてなかったんじゃないか。
今回の解散の一連の顛末を見て、本当に何も考えていないんじゃないかと思います。だって、鈴木幹事長まで、激怒して「もう辞める」と言ったわけじゃないですか。

橘 そういう意味では、空気が読めない、常識がない、官僚とも本当はうまくいっていないんじゃないか。自分だけで走っているんじゃないかという感じがして、しょうがないですね。

小池 中国との関係も、10月30日に、トランプさんが習金平氏に会って、戦略的互恵関係と言って、その翌日に高市さんは会っているわけです。その1週間後にあの台湾発言ですから、中国に対する外交的な戦略をしっかり持っていたとは、とても思えないんです。行き当たりばったりでやってるんじゃないかと。

橘 それにしてはと言うか、それにしてもと言うか、その結果、重大な迷惑が国民に来ているわけじゃないですか。「存立危機事態だ」と言ったばかりに、中国政府は怒っちゃって、レアアースは止めるわ、春節で日本への観光客は行くなとなって飛行機が飛ばなくなるんですよね。日本経済を本当に不景気に持っていく役割を、高市さんはやっているわけです。

小池 こういう風に経済問題、文化問題に結び付けること自体は、やってはいけないことだと思うんです。政治問題は政治問題として解決すべきだと思います
ちなみに、こういう対談って普通、事前にシナリオとかいただいたりすることがあるんですが、ないんですね。

橘、松下(司会) 武蔵野政治塾は、そういうの、ないんです。

小池 そういうことなんですね。それ、すごい、いいなと思ってます。

橘 会場からの意見なんか、すごいですよ。

小池 もう十分、覚悟してきたので、大丈夫です。すいません、余計なことを言って。

■小池さんはユーチューバー

橘 私は最近、毎日YOUTUBEで小池さんをよく見るんです。みなさん、YOUTUBER小池晃って知ってますか?
「晃辞苑」というのがありますね。

小池 「晃辞苑」もやっていますし、漁に出るとか稲刈りをするとか、ちょっと体を張った企画もやっております。現場を体験するということです。「漁に出る」企画は、見た人は「すごい大変でしたね」と言うんですけど、実は勝浦の港の堤防、防波堤をちょっと回ったところでやっただけで、沖合に出たわけではないんです。イセエビを取りまして、一番大変だったのは、イセエビを網から外す作業でした。YOUTUBEって、ってこういうどうでもいいのがいいらしいです。仕事で疲れて帰ってきても、家に帰ってYOUTUBE見て、ただひたすらラーメンを食べているところとか、ただ焚き火をやってるところとか、そういうのが非常に評判いいらしいですよ。
政治の話は見る人は見ると思いますが、評判良くないんです。萩生田さんもラーメンを食べているところをしきりにYOUTUBEで流しているという噂を聞きました。

橘 あんまり気持ちよくないですね。

■高市政権の積極財政で国民は豊かになるのか

橘 話を戻しますと、台湾問題と、もうひとつは積極財政のやり方に問題が出てくるんじゃないかと思います。積極財政はある程度は必要だと思うし、消費税5パーセントは、小池さんも言っているし、立憲民主党も公明党も、多分、新党でもそういう話になると思うんです。そこまでいいんです。その範囲の中で財政をやっていければいいんです。だけど、高市さんが言っていることをどんどんやっていったら、円安が進み過ぎて、いまの物価高が全然止まらない。
日本という国は、食料は、さっきの話でも38%しか自分で獲れないから、全部買うわけです。エネルギーもほとんど買うわけです。そういう基本的なものを外から買うわけですから、円安になって円が半分の価値しかないってことは、昔から比べたら2倍の物を買っているわけなんです。こんなことをやってて、国が豊かになるわけがないし、こんなことやって、物価高が止まるわけがい。

小池 おっしゃる通りです。植田さん(日銀総裁)は、金利を上げたわけです。金利を上げたら、普通は円安になるわけがないんです。金利上げてから円安がさらに進んでいるわけです。日本の財政に対する世界からの見方は本当にシビアになってきているんじゃないかなと思います。
緊急にいろいろなことをやる時には積極財政でいく、たとえばコロナの時に財源の問題はあとでも、とにかく手だてを打つのは必要だと思うんです。だけど、ここはちょっと政党間でいろいろな意見の違いが多分あるところなんですが、「消費税を減税する」、あるいは「廃止に向かう」と言うのであれば、やっぱり恒久財源は必要だと思います。高市さんが、そういった手立てを考えているとはちょっと思えない。もう、お構いなしにやっている。責任ある積極財政ではなく、無責任な放漫財政なんじゃないかという危険性を感じます。

橘 金利を上げて余計に円安になってしまったこともですが、金利を上げていけばお金を持っている人は利息が付いていくわけですが、お金のない人は借金する時に金利が上がるわけで、弱い者いじめになる場合があるじゃないですか。そういう意味で、高市さんがいまやっていることは、経済が良くなることではない気がするんです。

小池 これからいろんな影響が出ます。中国の問題もレアアースまでやろうと中国は言い出しているわけですから、非常に深刻なことになる。そういったこともあるので、早く解散・総選挙をやってしまおうとなったのではないかと、勘ぐられても仕方がないと思います。

■国民民主党と参政党が支持される理由

橘 ところが、この前の参議院選挙を振り返ってみると、どうも、共産党も立憲民主党も公明党もそうですけど、何かこうぱっとしないというか、よそにやられてしまった。どうして敗れたのかを見てみると、ひとつは国民民主党です。「手取りを増やす」と言った。たしかに、若い人もみんな誰だって、手取りが増えて欲しいです。だけど政党のスローガンというか政策のスローガンが「手取りを増やす」というのは、ちょっと恥ずかしくて言えない。もっと基本的な何か、思う理念とか何かないのかと思うけど、やっぱりそれが受けるんです。

小池 そう思いますが、その前段で、立憲がなかなか大変だということですが、我が党は本当に参議院選挙でつらい結果、悔しい結果になったんですが、立憲民主党は選挙区においては一定の成果を上げたと、思っているんです。それはやっぱり、共闘の効果が出たと思う。なのに、立憲の人たちはみんな、敗北感に打ちひしがれていたんですが、そんなにがっかりする必要はないんじゃないのと、率直に言って思うんです。あまりにも悲観主義、悲観的過ぎる。

橘 それは立憲の人が聞いたら喜びますが、多分、比例区で他の野党に負けてしまったことが一番大きいと思います。

小池 スローガン的には、なんで参政党が伸びたのかというと、外国人に対するホンワカとした不安感、外国人がどんどん増えていくことに対する警戒感に乗っかったこともありますが、一番響いたのは暮らしの問題だと思うんです。いろいろ話を聞くと、何かやってくれるんじゃないか、俺たちのことを考えてくれてるんじゃないか、そう思っている人が、結構いるんです。僕は選挙戦の最中、最初は参政党がそんなに伸びるとは思っていなかったんですが、いろいろと情報が来る。なかには「共産党にするか参政党にするか悩んでいる」人がいるというのがありました。そなんことはあり得ないだろうと思ったんです。でも実際には、いたんです。
暮らしの問題を何とかするためには、今までと違う勢力に頑張ってほしいみたいなのがあった。れいわ新選組とかと共産党のどちらにしようと悩んでいた人も結構います。
ある意味では、ズバッと突き刺さる、何て言うんですかね、今の言葉で言う「エモい」というか、そういう政策は必要なんじゃないかなと思います。「手取りを増やす」と言っていたわけだけども、みんな本当に苦しい生活をしてるから、それを何とかしていこうと。ケア労働者も賃金なんか全然上がりません。政党は、こういったことにどうやってくれるのかというあたりを、もっとリアリティを持って感じてもらえるような政策を出さなければいけない。なかなか難しいんですけど、ここが大事だと思う。

橘 本当にその通りだと思うんです。リアリティだろうと思うんです。たとえば、そういう意味で言えば、れいわ新選組は一番いいんですよ。消費税をなしにしろと言うんですから。だけど、なぜ「手取りを増やす」の方が良かったのか。ゼロよりも「手取りを増やす」の方にリアリティがあったということですかね。

小池 そうだと思います。とりあえず目の前の「手取りを増やす」、「課税最低限を上げる」という具体的で、まずはできるんじゃないかという印象を与えたのかもしれませんね。

橘 実は、れいわ新選組の高井幹事長が一番前に座っているんです。私は岡山県の生まれで、3期、岡山県議会議員をしていたんです。高井さんも岡山で、私が昔、若い頃に出ていた選挙区で、衆議院議員になりました。今は違いますけどね。だから、すごく仲良くしていまして、今日は小池さんの話を聞きたいということで来てもらいました。

【急遽、れいわ新選組幹事長の高井崇志さんがマイクを持ちました。
いま言ったご縁で、私は橘さんには一生頭が上がらない、大変お世話になった方で、今日は「絶対に来い」と言われたんで参りました。小池さんのお話を改めて聞いて、本当に頷くことばかりで、本当に共感すること多々ありました。
消費税の話が出ました。たしかに、我々は、結党以来ずっと「消費税廃止」と訴えています。6年半前に山本太郎がたったひとりで立ち上げた時から訴えています。当時は皆さん、そんなことができるわけないという雰囲気だったのが、今はどうですか? 去年の参議院選挙って、全ての野党が消費税廃止、または減税を訴えるところまで来たんです。今度新しくできる中道改革党も消費税減税を公約に入れるみたいなことが、さっきニュース速報で流れていましたし、自民党も維新も言っています。
自民党も高市さんも、かつて言っていたんですよ。だからあと一歩ですよ、消費税。廃止は一足飛びにできなくても、我々は一律5パーセント減税から言っています。これは共産党さんと一致して、かつて法案まで一緒に、しかも立憲民主党も一緒に出しているんですよ。
だから、これをまず実現することが大事だと思います。

橘 高木さん、ありがとうございます。急に指名して申し訳ありません。これが武蔵野政治塾なんです。
だから消費税の問題は、本当にいろいろあって、立憲民主党はやっとこの前の選挙から、だんだんと消費税減税の方に向いてきましたけど、随分と硬い人がいました。「絶対に減税はダメだ」と言う人が何人かいらっしゃるんです。でも党内で論議が、減税の方に通ったんでしょう。そこは本当に、国民の生活には消費税が大きいと思います。それが一番いいんじゃないかと思います。
減税として、5パーセント一律にするのか、食料品だけ先にするのかとか、いろんな問題があり、そこは議論になるところですけれど、いい方法を選んでくれればいいんです。どっちがいいかの議論をいましてもしょうがないと思います。消費税は減税がいいと思うんです。

■共産党から見た、新党「中道改革連合」

橘 こんなホットな日に小池さんに来ていただき、こんなホットな話ができると思わなかったんですけれど、立憲民主党と公明党が新党を作る。そんなの冗談だろうと、そんなことはないでしょうと思っていたら、1日にして新党になってしまった。これは、いいことなのか悪いことなのか、いろんな観点があると思うんです。とりあえず小池さんの意見はどうですか。

小池 公明党も野党になったわけですから、その野党である公明党と選挙において連携をする、さまざまな課題で協力をするということは、当然あってしかるべきだと思います。私たちも、たとえば前の国会で、衆議院の定数削減が出てきた時に、日本の国会議員の数は決して多いわけじゃない、世界で見れば、低い方、少ない方だから、それを削るというのは少数政党を切り捨てていくことになるんじゃないかということで、公明党とはいろんな話もして協力をしようとなっていました。
ただ、同じ党になるとは、ちょっと思っていなかったんで、びっくりしております。同じ党になるってことは、全ての政策が一致をしなければいけないことになると思うんです。私たちも立憲民主党と選挙の協力をやったけど、いろんな違いは脇において、一致しているところの確認をして、やってきたわけです。

橘 私は立憲の皆さんは、党内で意見が違うことに慣れているんだと思うんです。

小池 なるほど。

橘 だって原発は、「再稼働大反対」の人もいれば、「明日にも新設しろ」の人もいるわけです。消費税こそ、まとまったけど、減税は絶対ダメ、将来どうするんだ、子どもに将来のツケ残すのかと言う人もいれば、とにかく今の暮らしが大切なんで、5パーセントにしろと言う人もいる。そんなのは立憲どころか民主党の頃からそうでした。そこが共産党とは全然違うんだと思います。

小池 この間、なぜ立憲民主党と協力して選挙も戦えたのか。安全保障政策にも違いがあるわけです。我々は安保条約を止めるべきだと思っているし、アメリカとは対等平等の友好条約を結ぶと言ってきた。でも、その違いを乗り越えて一緒にやれたのは、やっぱり安保法制に反対をする、集団的自衛権はさすがにダメだろうということがあったので、協力できたわけです。
それが崩れてしまうとなると、党内で意見の違いがあることは、私もお付き合いしていて本当によく分かってますけども、そうは言っても、そこところはやっぱり譲れない一線だなと。あとは原発の問題も譲れないと思いますけどね。

■脱原発は、絶対に譲れない

橘 私立憲民主党でも何でもないし、共産党でもないんですけど、個人として譲れない2点は、そこですね。やっぱり原発はダメですね。

小池 だって浜岡原発の話、僕は酷いと思いますよ。全部嘘だったわけですよ。それで原子力規制委員会は全部嘘だと分かっているのに、「他の原発はそうではありません」と言うんでしょう。あり得ないじゃないですか。もう全ての原発を再点検する。それで、浜岡原発はもうアウトですよ。再稼働申請を取り下げるべきだと思います。

橘 白紙に戻すというけど、白紙じゃなくて、なしにする。白紙に戻ってもう一回やったら、時間が経てばまたやるわけですから。浜岡と言えば、今日、菅直人さんが来てくださっていますが、菅さんが総理の時に「一番危ないのは浜岡だ」と言って止めに行ったのを思い出します。私は、その時から原発は本当に危ないものだと思って、映画を作ってみたりしました。

小池 どんな安全基準を作っても、ゴミの処分はできないわけです。放射性廃棄物の処分はできない。この問題は絶対に解決できないですよ。もう止めるしかないと私は思います。

橘 自民党の地方議員をやった、何大学と言わないけど、ものすごくいい大学を出た女性議員が、私に言ったことがあるんです。「核廃棄物というのは、いずれ科学が進歩したら、なんとかなるものだと私は思っている」と言った。科学の基本を知らない。そんなことを思っている人がいるんで、びっくりしますよ。そんなことを言いふらしてる人もいるんです。そんなことがあるわけないじゃないですか。
それもあるけど、3.11の事故の時に、本当に、あとちょっとのところで東京の人まで逃げなければいけないほどの大きな事故になる手前までいっていたという、この怖さです。廃棄物と同様に、このリアリティは絶対に避けなきゃいけない。
本当に1基の事故、1カ所の事故が国を滅ぼすなんていう馬鹿なことを人間が作っている。自分たちで自分の首を絞めているというか、自分たちで自分の生存を脅かしてるという、これだけは絶対止めなければいけないと思ってます。

小池 まだ15年しか経ってないわけですよ。もう、あの時の恐怖と苦しみを忘れてしまっていいのかということです。それが、問われると思います。

■高市政権は第三次安倍政権で、大惨事

橘 安保法制でも当たり前の話で、歴代の総理大臣や歴代の偉い人は、田中角栄だって、集団自衛権はダメだということで一貫していたわけです。それなのに、安倍さんが変えたら高市さんもついていく。
あの人、おかしいですよね。安倍さんの遺影を持って、お宮お参りに行ったりして。

小池 安倍さんが夢枕に立つとか、イタコの世界でしょう。ちょっと怖いですよね。

橘 安倍政治が続いてるよりもっと酷い感じです。

小池 第3次安倍政権で大惨事になってるという、そういう話じゃないかと。

橘 今回の国会は、所信表明演説もしないんですよね。

小池 国会召集して集まったら解散です。開会式もやらないし、何にもやらない。だから23日は昼前に終わっちゃうでしょう。

橘 第1次安倍内閣では、辞める時、所信表明演説だけして、代表質問を受ける前に辞めましたね。安倍さんでさえ所信表明演説したのに、高市さんはそれもしない。

小池 しかも1月に解散するのは、30年前らしいです。海部内閣が1月に解散しました。私は25年間やってきて、自民党政治が本当に劣化している感じがするんです。

■高市さんは、別次元の人

小池 私が初めて当選した時の総理大臣は小渕恵三さんでした。小渕さんはそんなに弁が立つ人ではないんだけど、一生懸命に、質問に対して答えようという姿勢はあったと思うんですね。次の森喜朗さんのことはあまり言いたくないんですけれども、小泉純一郎さんという人も、立場は全然違ったけれども、立場の違う若い政治家との論戦を、何か楽しんでいる感じがあって、それなりにちゃんと答えてくれた、向き合ってくれたという印象です。

橘 小泉さん、「通販生活」で反原発を言っていました。びっくりしました。お元気で、堂々と「原発ダメ」とやっていますね。

小池 安倍晋三さんですら、一定の、何て言うか、かみ合いを感じたんですけど、高市さんとは一回だけ予算委員会でやったんだけど、そういう感じがまったくないんです。別次元で喋っているみたいでした。私が「長時間労働で大変だから是正する必要がある。それなのにあなたは長時間労働を規制緩和しようとしているじゃないか」と言ったら、突然、「私も2時間しか寝てません」とか、「お肌が…」とか、訳の分からない答弁をして、それがニュースで切り取られて流れたんです。何と言うか、話し合いの土台が何かどんどん失われていくような感じがあって、自民党政治がどんどん行き詰まっているのを肌で感じるんです。見てて、そういう感じがしませんか?

橘 高市さんに関しては、もう本当に「別の人」だなと思います。私が最近の若い子の音楽がまったく分からないみたいな。乗れなくて、聴く気もしない音楽があるじゃないですか。高市さんを見ていると、そんなに歳は変わらになくても、そういう世代間の違いを感じるんですよね。

小池 僕は世代的には同じぐらいそうですが、ちょっと合わない。何かすれ違っちゃう感じです。

橘 合う必要もないけど、総理大臣ですから、しっかりして欲しいですよ。
それで、選挙の前に2つの党が一緒になるのは選挙目当てだと、玉木さんなんかが言うわけです。選挙前だから、そう映ってもしょうがない。だけど、言ってみれば、新党なんてだいたい選挙前にできるものです。

小池 政党っていうのは、基本的に選挙目当てで動く団体だと思います。だから「選挙目当てだ」というのはあまり批判にならないんじゃないかと思うんです。だって、みんな選挙目当てです。私たちは選挙目当てだけでやるつもりはないんですけど、維新なんて、酷いじゃないですか。大阪府知事、市長のダブル選挙ですよ。自民党も党利党略だけど、維新もプチ党利党略と言うか、そんな流れです。うちは大阪のダブル選挙には、候補者を立てないことにしました。だって馬鹿馬鹿しい。要するに維新に対する批判をかわすために、知事選挙と市長選挙をする。それでもし当選したら、信任を得たと言って、住民投票3回目をやろうという魂胆がはっきり見えるわけですから、そんな選挙には付き合っていられない。だから候補者を出さない。総選挙をやるわけだから、そこで論戦すればいいわけです。

橘 それだったら小池さん、立憲の候補者がいるところに共産党を立てないでくれると喜ぶ人、たくさんいますよ。

小池 それはちょっと性格が違うと思いますけど、いろんな話し合いはしなければいけない。

■新党への違和感

橘 さっきの話に戻ると、選挙目当てであるのは納得しました。だから野合だと言われますが、本当に2つの党が平和だとか人権だとかで一致するところがあって、一緒になってそれでやるというのなら、それはそれも一理あるかなとは思っているんですよ。それで、維新の共同代表の藤田さんが、「社会実験だ」と言っています。こんな大事なところで社会実験をしてくれるなと言いたいけど、本当にどうなるのか、うまくいくのかどうか、誰も予想できない。事例として似たようなものを探せと言ったら、新進党がありました。1994年に新進党ができて、私が3回目の選挙をやったのが95年だったので、新進党真っ只中で自分の選挙もやりました。そのあとすぐに新進党はなくなりましたけど、最初の参議院選挙(1995年)は勝ったんです。2回目が衆議院選挙(1996年)で外と勝てなかった。でも、ボロ負けでなかったんです。だけど新進党は、なくなった。
今回の新しい政党、中道改革連合ですか、「中核」なんて言っちゃいけないんですが、そう言われますよね。名前、最悪ですね。

小池 政党同士がくっつくこと自体をけしからんと言うつもりはないんですけど、公明党はついこの間まで自民党とがっちり組んでいた政党じゃないですか。そこと立憲民主党が同じ政党になることに、理解が得られるのか、共感されるのか、受けるのか、分かりませんけども、僕はやっぱり非常に違和感があります。

橘 みんなそうだと思います。自民党からくっついたから違和感を持つのではなくて、そもそも公明党というのは創価学会という大きな宗教団体を母体としているわけだから、そこの政党というだけで違和感を持つ人が、そもそもいると思うんです。だけど、ひとつだけいいことがあるとしたら、今の各政党の党首の中で、斉藤さんが一番いい顔をしているんですよ。野田さんには失礼だけど、志位さんにも失礼ですけど、斉藤さんって、何か、明るいんですよ。昨日あたり、「中道、中道」と言い出したから、ちょっと憎たらしく見えてきて、なんで中道だけなんだと思うんですが、何かこう、斉藤さんが自民党を蹴った時点ではいいなと思ったんです。それって甘いですか?

小池 それが作戦なんじゃないですか。

橘 作戦かどうかは別として、もう少し言えば、何て言うかな、人も団体も必ず過去ってあるんです。それが良くなっていくのか悪くなっていくかという判断、動きを判断するのが大事じゃないかと思っています。
日本共産党は多分ずっと戦前から戦争には反対ということを貫いてきているので、共産党からの言い分では、どこも何も変わってないとなるでしょう。もちろん劣化はしてないということでしょうけれど。外から見たら共産党も変わっていったなという感じがするんです。もっと固い政党だったのに、小池さんみたいな、話が分かる人が現れてくるという、変化がある。共産党は否定しますけど、昔は暴力で社会を変えてやろうと言う人が共産党内部にもいたわけじゃないですか。共産党はそういう考えを否定して、「ダメです。暴力じゃなく、議会民主主義でやりましょう」となっていった。そういう風に変わっていくもんだと私は思うんです。いい方に変わっているんだったら、それ認めましょうよ。

小池 変わることを否定はできないと思います。僕がいま、非常に懸念するのは、全体として日本の政治が右翼的な方向に、高市政権の下で、参政党のような政党が伸長する中で、全体に右に行ってる時に、それ以降、何て言うか、引きずられるかのように、このリベラルの代表の人たちまでもが右に行ってしまっていいのだろうか。
上智大学の中野晃一先生が振り子の話をするんですけど、振り子がどんどん振れている時に、だんだんその振り子の支点も右に行ってしまっていいのかとおっしゃったことがあって、私は今の動きを見てて、そういう懸念を持っています。そういう時にやっぱり左の方できちんとアンカーを打ち込む役割が、国会の中で絶対必要なんじゃないかと。
今、社民党さん、新社会党さんなんかと、憲法を中心にした、きちんとした共闘体制を始めています。国会の議席は少ないです。新社会党は国会に議席はありません。でも、そういう勢力がひと塊になって、きっちり左の方で、ぐっと引っ張る役割をする。そういったことが必要なんじゃないか。本当は、れいわ新選組さんなんかも、そういうのに入ってもらいたいなと思っているんです。そういう勢力が国会にどうしても必要なんじゃないかなと。いろんなことがあっても、左の方でしっかりと頑張って、全体が右に行くことを止めていく役割は必要なんじゃないか。

橘 共産党にはぜひそういう役割をしていただきたいし、ずっとしてきたと思います。だから、その勢力をもう少し広げることもいいことだと思う。この前もラサール石井さんも似たようなことをおっしゃってたんです。
ぼつぼつ会場からのご意見や質問をお伺いしながら、この話を続けていきたいと思います。

【ここから参加者の方からの、ご質問、ご意見のコーナーです。
今回は、何人かに続けて質問・意見を述べていただいた後に、小池さんが回答しましたが、ここでは一問一答形式で記します】

■高校生の息子が戦争に行かされることは阻止したい
会場の方1(女性)
高校生の親なんですが、今まで安保法制の時もずっと超党派で平和に関する活動を頑張ってきました。そのなかで、自分の息子が戦争に行く場面のことは、今まであまり考えてこなかった。想像もつかなかった。ところがここ最近、特に高市さんが総理になってから、自分の息子がもしかして戦争に行くかもしれないと思うことがあったんです。何か、すごく怖いんです。絶対にそういうのは阻止しないといけないと思っています。そのためにどうしたらいいか。選挙で自民党の議席を減らすことじゃないかと思うんです。それがごく大事だと思うんです。
特に東京の多摩地区の小選挙区では宮本徹さんにも頑張っていただきたいです。この地域(東京18区)は自民党の議員さんは女性なんですが、私、すごくその方が怖いんです。このまま放っておくと、「第二の高市早苗」になるんじゃないかと思っています。今のうちにその芽を摘む、と言ったらちょっとあれですけど、すごく怖く思っているので、ぜひ、松下(玲子)さんには頑張ってもらいたいんです。そのことを、会場にいる皆さんにも小池さんにも一緒に考えていただきたくて。
まとまりつかないんですけれども、ぜひ小選挙区で、松下さんは本当にどこへ行ってもぶれずに、平和とか安保法制反対とか、原発反対と言える方だと信じているので、ぜひ一緒に考えていただけないでしょうか。

小池 高校生のお子さんを持つ親御さんのお話、大変よく分かります。高市さんの「継戦能力」という言葉を使った。戦争を続ける能力を高めると言ったんです。ちょっと信じられない。ああいう発言をした総理大臣は、いないと思います。自分のお子さんが戦争に行くかもしれないという危機感を持たれるのは、本当にそうだろうなと。
この間、沖縄へ行ったら、沖縄の皆さんは「本当に戦争になるんじゃないか」と、みんなおっしゃっています。そういう点では本当に自民党政治を止めるために力を尽くしたいと思っております。
同時に、やっぱり野党の協力関係、共闘、選挙での共闘には、きちんとした合意が必要になってくる。それぞれの地域での皆さんの思いをちゃんと踏まえて、我々も上からこうやれと言う政党ではありませんので、地域の中でどういうことが行なわれるのか、きちんと議論をしていきたいと思っています。
短時間ですけれども、しっかり議論をしていきたいというふうに思ってます。機械的にやるつもりはありませんので、地域の実情に応じて対応していくということでいきたいと思っております。

■共産党は、政党交付金をもらっていないことをもっとPRすべき
会場の方2(男性)
私は86歳です。小学校1年の時に原子爆弾発が落ちた。86歳とはそんな年齢です。
それはさておいて、小池さん、安いコーヒー杯250円、日本の人口1億2000ちょっとです。掛け算をやってみました。ざっと320億円です。小池さん、共産党は1円もこの政党交付金をもらっていないですね。私は大拍手をします。身を切る改革は、維新じゃなくて小池さんの党でしょう。なんでこれをもっと宣伝しないんですか。そうしたら、もっともっと議員の数が増えるはずです。小池さん、もっともっとPRしなさいよ。以上です。

小池 政党助成金、政党交付金の問題、ありがとうございます。もっと宣伝したいと思います。

橘 小池さんの「左側のリベラルの側のくさびを打つ」という話は、すごくいい話だと思いました。でも、結局、「自民党政治を倒す」「高市政治を続けさせない」ということでいくんだったら、くさびを打つだけじゃなしに、もっともっとリベラル勢力が政権に加わってやろうとか、そういう意欲を、小池さんに対して、失礼かもしれませんけど、ちょっと感じないんです。「あれはダメだ、これはダメ、何とか止めよう」と言って、たしかにいい活躍をしています。裏金作りだって共産党が見つけたわけだし、その後の選挙で裏金議員にお金を配ったことも共産党が見つけたわけで、ものすごくいい活躍している。もっと言えば、地域へ行けば、本当に困っている人を共産党の議員さんや組織が、地べたで助けている。
だから自民党を倒すために、その共産党がもっとこう中央に出てくる、中道とは言いませんよ、中央に出てくるような動きをしていただきたいんですけど、それは難しいですか。

小池 それはこの間、いろんな工夫をしながらやってきたんです。我々にとっては、やはり比例区なんです。いま、衆議院の東京ブロックで1議席なんです。先ほど宮本徹さんの名前も挙げていただきましたけど、今度の選挙では、ひとつは、そこまでは必ず取りたいというのがあります。それをやるために党としてどう選挙に臨むのかを考えなければいけない。
立憲民主党が公明党と一緒の党になる時に、月曜日(19日)に政策が出てくると聞いていますが、一体どういうものになるのかです。今日(16日)も記者会見で私は「もうだめだ」というような断定的なことは言っておりません。月曜日に出る政策の中身をよく見たいと思います。その上で考えていきたいと思います。

橘 そうですね。いくら中央に出て他の野党と連携すると言っても、集団的自衛権を認めたり、原発をどんどんイケイケでは、いくらなんでも手を結べないのはよく分かります。いずれにしても、それでもなおかつ高市政権を潰して、子供が戦争に行かないようにすることに、小池さんにその力を使っていただきたいと思うんです。

小池 今日の皆さんの思いを、しっかり受け止めたいと思います。

■共産党は党首の決め方を変えられないのか
会場の方3(男性)
私は両親が50年党員で、いわゆる共産2世なんですが、宗教2世と違って我が家で両親は党の批判ばかりしていたんです。一度も、宮本顕治あるいは不破哲三に1票を入れたことがないと言ってます。それで党の選挙なんですが、選挙方法については重々承知してますが、今度の田村さんが(委員長に)選ばれた経緯を見て、我が家では小池さんがなればいいのになあとか、いや吉良さんだよという話をしていたんです。選挙がもっと見えて、人間がたくさんいる政党に見えてほしい。自民党の方がむしろ民主的に見えるので、そんな政党になればいいのになと思っています。そして、もっと増えてほしいと思ってます。

小池
共産2世の方の要望、しっかり受け止めたいと思います。共産党の党大会は他の党とだいぶ違うんです。他の党は、だいたいホテルで開催し、1日でパッと決める感じでやっておられますが、うちはもう何カ月も前から方針を示して、支部地区と都道府県で議論を重ねて、積み上げて、それで方針を練り上げて、それを確認するのが一番大事なことだと思っているので、誰を選ぶというより、方針なんです。その方針を実現するのに一番いい人を、党大会で選挙を選ぶ。だから他の政党と党首の決め方には、かなり根本的な違いがある。逆に言うと、今度の立憲と公明党みたいなことは、絶対にうちはできない。ひと晩にして別の党と一緒になることは、絶対にできない。そこは党としての歴史と今まで積み重ねたものの違いがあるかなと思います。

■東京18区で統一候補を出してほしい
会場の方4
ドクター小池のお話、大変ありがとうございました。ぜひ国会議員にいっぱいいる患者を治してほしいと思います。私はこの地元の小金井市で市民連合の活動をしています。それで、ぜひとも東京18区で統一候補を出していただきたい。そしてひとりでも自民党を減らしていただきたい。そのキーパースンは小池さんです。ドクター小池です。ぜひお願いしたい。

小池 18区の問題はさきほど言った通りです。僕がやれと言ったらやれるという政党ではないんです。僕がキーパーソンだとおっしゃったけども、何というか、上意下達というか、そういうところじゃないんです。地域からボトムアップでやっている政党ですので、地元での議論を大事にしたいと思っております。

橘 それは、地区委員会とか地元の共産党の人がある程度の意見を出していくんだと思うんですけれど、地域での一般の党員や、いや党員でなくても一般の市民の間で盛り上がるとことも大事なんですか。

小池 それはありますけどれも、今までは、政党間で一定の、共通の土台があったんです。ところが、19日に出てくる立憲と公明党の新党の政策の合意がどういうものになるかによって、その基本的な政党間の土台が崩れる危険性があるので、それをよく見たいと思います。

■戦争が始まった時、どう終わらせるつもりか
会場の方4(続き)
れから、いま戦争の可能性が非常にあると思っております。万一、アメリカと中国の間の、何と呼ぶか分からない、自衛という戦争か、特別軍事行動作戦と呼ぶか分かりませんが、それが起きた時にどうやってその戦争をやめさせるか。いま、憲法上も法的にも何ら法的規定はありません。万一、戦争が始まった時にどう終わらせるつもりなのか、法的にどう補償するつもりなのか、それをお聞きしたい。

小池 戦争を終わらせる法律というよりは、戦争は始めてはいけないんです。やっぱり憲法だと思います。戦争を止めるための法律は、憲法だと思います。戦争が起こることを前提にした法律を作るというのは、なかなか難しいかなと思います。

■共産党はなぜ負け続けるのか
会場の方5(男性)
私は無党派ですが、共産党の主張が一番筋が通ってるし、正しいと思っているので、常々街宣にも参加し応援しています。3つの選挙に関わってきましたが、残念ながらずっと負け続けているんです。どんなにいいことを言っていただいても、市民として、これでは困るんです。なぜ負け続けるのか、党勢が退潮するのか、そこをどうお考えになっていて、どうしようとされているのか、ぜひ伺いたいです。

小池 街宣にも来ていただいて、投票もしていただいてると思うんですけど、なんで負け続けるのか、党勢が伸びないのか。それは他の人に広がってないわけです。僕らのいまの最大の課題は、党員が減り続けていることです。とくら高齢者で安保世代、60年安保、70年安保を戦った世代が中心だっただけに、今の時代、そういう部分の党員の数が自然に減ってくる。
しんぶん赤旗も部数としてはなかなか伸びない。電子版を出して、努力はしているんです。メディアの人たちとも話しても、いま、紙の新聞が読まれていないことも背景としてはあって、非常に苦労しています。そこが決定的だと思っているので、去年からとにかく党員を増やす、機関紙を増やす努力をしてまいりました。まだそれは道半ばなんで、そこがやっぱり最大の課題かなと思っております。
政策的には支持できるというお話がありましたので、それを本当に多くの人に広げる努力を、僕は責任を持ってやらなければいけないと自分自身の責任は大きいと思っています。叱咤激励と受け止めて頑張りたいと思います。

橘 中選挙区の時は別として、小選挙区制度になってからも20議席獲ったことがありましたよね。
小池 小選挙区で獲ったことがあるのは高知1区と京都3区の2つだけです。基本的には比例でやってきた政党ですので、比例の定数が削減されたことも、結構痛いことではありました。
橘 だから、いまの小選挙区比例代表になってからも20議席あったのが、2024年は8議席になっているということで、支持者やファンからしたら、何とかならないのかなというご意見があっても不思議じゃないと思うんです。そうかと言って、他の党も参政党や国民民主に負けてしまっている。何か選挙の形、やり方が変わっているじゃないですか。それに対して、共産党も含めてのそのやり方に負けた党は、対応能力があるんですか。公明も立憲も、参政党や国民新党みたいに、ネットで何とかやれないのか。たしかに、立花孝志のようなのがいたりして、インチキもありましたけど、それでもネットにも正しいものはあるわけで、そういうのに勝つような戦略があるのか。本当に真剣にやっていたのか。小池さんはYOUTUBER小池っていうぐらいですからやっていますが。

小池 訴えを広げていくこと、SNSなんかも含めてやっていくってことはすごい課題だと思っています。参議院選挙が終わった後で、朝日の夕刊に若い記者さんが書いた記事がありました。参政党をずっとフォローして、集会に行って、いろんな人の話を聞いたという記事です。歌舞伎町の風俗案内所で働いてる人の話が出ていまして、別に参政党の外国人政策を支持しているわけじゃなく、なぜ参政党に入れたのかと言うと、「この党が自分たちのことを考えてくれていると思った」というのがあったんです。
共産党は本当に困っている人たちのために、本気で何をやろうとしている政党なのかと、僕らがアピールすることに成功できていたのか、真剣に考えなければいけないと思っています。そういう訴えをどうやってこの短期間でやっていくかを、いろいろと議論をしているところであります。
共産党は、いろいろと理屈の世界の話をしてきました。でも、何をやってくれるんだ、共産党が伸びればこうなるんだ、自分の暮らしがこういうふうに良くなるんだというところを、きちんと根拠を持っているので、きちんと実感を持って、いまの暮らしのなかで大変な思いをしてる人にどうやって届けるかが課題かなと思います。
橘 菅直人さんが若い頃に「政治は弱い者のためにあればいいんだ。強い者には必要ない」というような意味のことをおっしゃって、私は当時、社民連にいたので「ああ、そうか」と思ったんです。弱い者のためにどうするか。それをずっと考えていたら、必ず算が要る、資金が要る、お金が要る。新しく国債を発行するんじゃなくて、消費税を減らしても、変なものに使っていのを調整してそっちの方に回すという考えでやっていこうということですが、やっぱり経済がうまく回っていかないと、本当に豊かにはなりにくい。これはひとつの事実としてありますよ。だから、経済をうまく回すためにはとどうするかが、もうひとつの大きな要素になっていて、そうすると、共産党や立憲民主党や公明党は本当にどこまで考えてくれるんだろうか、それを考えているのは自民党じゃないかとなる。自民党はうまく回ったら全部自分たちで取ってしまって、自治体へは回ってこないんですが、その矛盾は別としても、そういう風に日本の経済をちゃんとやって、小さい工場から大きい企業も、みんなが豊かになるにはどうするんだということを、考えなければいけないんですけど、共産党はそこの辺はどういうふうに考えるんですか?
小池 そこが課題です。共産党というと、大企業を敵視しているんじゃないか、日本の経済のことを考えずに分配だけを考えていて、成長を考えていないんじゃないかというイメージで捉えられています。本当に成長を考えてみたら、なぜ「失われた30年」になっているかというと、分配がおかしいから成長しないわけじゃないですか。そういったことを言っているんだけど、共産党は日本経済をどうするかをあまり考えてないというイメージで捉えられている。それは僕らのアピールの仕方の課題だと思います。

■なぜいま、解散・総選挙なのか
会場の方6(男性)
小池晃さんのファンです。なんでいま、自民党の高市政権は解散・総選挙をするのかなと同僚と話していました。それが気になりました。

小池 ファンの方、ありがとうございます。ご期待に応えて頑張りたいと思います。なぜいま解散・総選挙なのかというと、ボロ隠しです。やっぱり、悪いことをやろうとしているから隠そうとしているんです。政治とカネの問題とか、統一教会との癒着とか、そういったことが明るみに出ないうちに選挙をやってしまおうということです。

■共産党は野党を右傾化させないために積極的に働きかけができないのか
会場の方7(男性)
高市政権の問題点を、すごく分かりやすく説明していただいたと思います。今回の総選挙の最大の課題は、高市政権を退場させることじゃないかと思っています。さっき社会的な実験だという話もあり、今後どういうふうになるか分かりませんが、中道改革という形でひとつの対抗軸を設定しようとしています。小池さんのお話ですと、19日の記者会見なり政策発表を見た上でということですが、高市政権の戦争政策とか排外主義の政策とか、あるいは弱者を収奪するというか社会保障を劣化させる政策などを考えると、ある種の大同団結みたいな形で、いまの立憲が野党と言えるかどうか分かりませんが、野党にまとまっていただいて高市政権と対峙していくのが重要じゃないかなと思っています。
立憲民主も安保法制や何かの問題で動揺し、公明党もかつての平和の党という立脚点を失いつつあるわけですけども、そういうところに対して、共産党が積極的に介入というか働きかけをして、全体として野党を右傾化させないという方向が大事ではないかと思っているんですけれども、その点いかがでしょうか。

小池 高市政治、今の強権的な右翼的な政治を止めなければいけないのはその通りだと思います。そのために一番痛打となるのは、一番その政治に正面から対決してる共産党の議席を比例で伸ばしていくことではないか。もうひとつは、憲法を守るということで固まれる勢力で、しっかり力を合わせて選挙を戦っていくことではないかなと思っています。
立憲民主党と公明党との合意がこれからどうなっていくのかをしっかり見ていきたいし、それが果たして戦争国家づくりに対抗できるものを打ち出すのかどうか。率直に言って、公明党は去年の国会で補正予算に賛成をしているわけです。あの補正予算は大軍拡の予算なんです。そういう政党とどういう合意が成り立っていくのかを、きちんと見ていかなければ、今の危険な方向を止める力にはならないのではないかと思います。率直に言って、そこは厳しく見ております。だから、月曜日にどういうものが出てくるのかを見極めていきたい。
とにかく比例も含めて、共産党の議席を伸ばすということに全力をあげるのが、私たちにとっては一番大事な課題ではないかと思っています。

橘 この会場のなかには、立憲の支持者、共産党の支持者、いろんな方がいらっしゃると思います。自民党の支持者もいらっしゃるかもしれないし、無派閥(無党派)の人が一番多いかもしれません。そういう人たちがみんな集まって、政治を変えるために、どうするのか。
この前、この久米宏さんが亡くなりました。久米さんは「メディアは反権力じゃないと意味がない」とおっしゃった。その通りです。ところが日本のメディアって反権力じゃないんです。これが一番悪くて、どうしても自民党有利に働く。もっと悪いことに選挙になったら報道してはいけないという馬鹿な法律があるんです。選挙の時こそ報道しろよ、です。
さらに選挙になると、日本では戸別訪問をしてはいけないルールがある。こんな馬鹿なことはない。世界中で個別法しています。選挙の時こそ戸別訪問して政策を言ったり、話をしたりする。そんな馬鹿なことばっかりやっているんで、そういう基本を変えなければいけないという気もします。
とにかく皆さん市民が、国民がメディアのつもりで、与党支持者の人でも野党支持者の人でも、今の政治でここは悪いという批判を常にし続けていくことが大事じゃないかと、私は思っております。

小池 いま、戸別訪問という話がありましたが、(ニューヨーク市長になった)マムダニは、160万戸の戸別訪問やったんです。10万人以上のボランティアが駆けつけた。それもトランプの票が多い地域を回ったんです。そこに行って何をやったかっていうと、「なぜトランプに入れたのか」を丁寧に聞くことに努めたと、マムダニさんは言っています。要するに、「できるだけ聞く、説教しない」。これは大事だなと思いました。こういうことを本当にやらなければいけないんだと。でも、こういうことをやるには、今回の選挙は時間が足りない。
橘 今回の選挙は時間がないですね。聞いている暇がないから喋っちゃわないとね。武蔵野政治塾は皆さん楽しんで聞いてくださってるんで、本当に心から感謝を申し上げます。
今日は本当にありがとうございました。最初に申し上げましたように、とうとう共産党まで来ちゃった武蔵野政治塾です。次はどんな人を呼ぼうかと私も楽しみにしてますので、皆さんも楽しみに待っておいてください。

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NEW!!【活動報告】第39 回「政治の病、放っておけない!~いのちを守る政治の実現とは~」「講師:小池晃」講演編レポートを公開!

第39回は、日本共産党書記局長で参議院議員の小池晃さんを講師に、武蔵野公会堂で開催されました。
最初に、司会の武蔵野政治塾運営委員の松下玲子衆議院議員からの説明がありました。

松下玲子 衆議院議員
武蔵野政治塾は第39回を迎えます。今から3年3か月ほど前の年の10月10日が第1回で、吉祥寺で開催をいたしました。「どうしても野党を立て直したい」というタイトルでございまして、今日会場にもお越しいただいております菅直人さんに、講師としてご登壇もいただきました。
今日、最初の回の冒頭を改めて見てまいりましたが、事務局長の橘民義氏が「30年前も給料がずっと上がらない日本、これはやっぱり政治の責任であり、政治をもう一回考え直して、みんなで一緒に勉強する塾を立ち上げよう」と言って、武蔵野政治塾は始まった次第でございます。
数えて39回目。この間、さまざまなテーマで講師の先生をお招きして、会場の皆様とも議論をしてまいりました。少しでも日本の社会を良くしたい、国民生活をより良くしたいという思いで重ねてきた武蔵野政治塾ですが、3年3か月たって本当に良くなったかな、むしろ悪くなっていないかなという思いがしてなりません。
とくに昨年の10月に高市政権、自民維新政権が発足以来、戦後だと思っていた日本の社会が、気づいたら戦前だなんてことになりやしないかと、不安な気持ちを抱えていらっしゃる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
私自身も国会の場で仕事をさせていただくなかで、国民生活をないがしろにして、物価高対策が最優先と言いながらも、物価高対策をそっちのけで、予算の審査も行なわずに、1月23日の通常国会冒頭にも解散をするという今の状況でございます。
すごいタイミングでの武蔵野政治塾の開催だなという思いがいたしておりますが、本日は日本共産党書記局長、参議院議員の小池晃さんをお招きしての講演会となります。
小池晃さんは1960年生まれ。東北大学医学部卒業後、内科医として地域医療に従事。実際の現場で感じた「命を守る」を原点に政治の道へ進む。1998年に参議院議員に初当選。医療、福祉、労働、平和、安全保障など暮らしに直結する課題に一貫して取り組む姿勢は、政党や思想の枠を超えて共感を集めていらっしゃいます。著書に「小池晃対話集 政治に希望はある」ほかがございます。

日本共産党書記局長・小池晃参議院議員の講演

本当にたくさんおいでいただきましてありがとうございます。
橘民義さんからは、時々、いろんなお話を聞いていまして、「武蔵野政治塾というのをやってるんで、一度来てくれないか」と言われました。塾というから、もっとこじんまりしたものかなと思ったら、こんな大々的なものだったので、大変緊張もしておりますが、よろしくお願いいたします。

■武蔵野があって、いまの自分がある

実は私は武蔵野とはかなり深いつながりがございます。1965年頃からずっと暮らしておりました。だいたい15年間ぐらいは緑町に住んでおりまして、武蔵野育ちと言っても過言ではないと思っています。
武蔵野中央幼稚園、大野田小学校、4中と、武蔵野の中心の学校に行きました。前の邑上市長と同じ幼稚園、小学校、中学校です。武蔵野があって今の私がある、今の私の原点を作ったのは武蔵野市だと思っております。
私が小学校の、たしか6年生の時だと思うんですが中学の時だったかもしれません。校舎の改築がありまして、1年間、アメリカンスクールを借りていたことがあります。そのアメリカンスクールは、日本の学校と比べて、遊具、ジャングルジムから何でも、桁違いに素晴らしいものでした。その時からアメリカ帝国主義に対するちょっと怒りというか、これでいいんだろうかという思いが芽生えたのかもしれません。
当時は後藤喜八郎さんが市長でして、「憲法手帳」が配られておりました。憲法は本当に大事なものだなということを、武蔵野市で学んだ気がいたします。
その後、東北大学医学部に進みまして、医者の道を歩み、消化器内科の医者を12年ほどやりました。別に医者の道に行き詰まって選挙に出たわけではないんですけれども、医療現場で働いていて、本当にこの国の政治を正さなければ、患者さんの命を守ることはできない、そんな思いになったところ、共産党が比例代表の候補者に、医者を出そうということになり、1998年に立候補し当選させていただきました。一回、東京選挙区に挑戦したんですが、これがなかなかうまくいかなくて、3年間お休みしたので、今年で25年目になります。
そういうわけで、「永田町、国会病院で政治の病気を治す」というのが私のスローガンでございます。
本当に懐かしい武蔵野市で、こういうお話ができて大変うれしく思っています。

■疑惑隠しの解散・総選挙

しかし、こんな情勢になるとはとても思っておりませんでした。解散総選挙です。国会開会と同時に冒頭解散すると言うんですね。27日公示で2月8日投票という日程でいくんだろうと思います。施政方針演説も代表質問も予算委員会も全部すっ飛ばして、総選挙という、無茶苦茶な話になっています。解散から投票まで16日間というのは史上最短だそうで、まともな政策論争をやりたくないということなんでしょう。在外投票もできないと聞いています。立候補予定者の説明会もやらないと聞いてます。参政権を侵害するようなやり方ではないかと言われています。
これは党利党略というよりは個利個略。高市早苗さんによる高市さんのための高市さんによる選挙だと言わなきゃいけない。
9日に一部メディア、読売が解散という情報を流して以来、高市さんはずっとだんまりで、一昨日、与党幹部に伝達したという時に、立ち止まってちょっとだけ答えただけです。まともに国民に一切説明をしてないで、解散権をもてあそんでいるんじゃないかと言わざるを得ないと思います。
解散は総理の専権事項と言いますが、憲法にはそんなことは規定していないわけです。「解散」の文字は憲法の中では7条と69条に出てきます。7条に何て書いてあるかというと、「天皇が内閣の助言と承認により衆議院を解散する」という、単に手続きを書いただけなんですね。
この間ずっと、この条に基づいて解散をやってるわけですけど、どういう時に解散するのかを規定しているのは69条なんです。「内閣不信任案を可決するか、不信任決議案を否決するか、この時に解散だ」と書いてあるわけで、本来はこれが解散の規定のはずなのに、もう主権者そっちのけにして解散権をもてあそんでいる。これは許されないんじゃないか。
しかも、こういう風に解散総選挙に逃げ込んでいる。まともな論戦をやらないのは行き詰まってるからと、疑惑隠しだと言わざるを得ません。物価対策にまともな手立てが打てていない。中国との関係悪化に打開の手立ても打てていない。しかも足元で疑惑が火を噴いております。自らの政治とカネの疑惑です。

■高市首相の違法献金と統一協会問題

日本共産党の山添拓参議院議員が参議院の予算委員会で、高市さんに「上限額を超える違法献金をあなたは受けているでしょう」と追及したら、高市さんは、「あれは自民党支部への献金であって、私への献金ではない」と言ったんです。
ところが、この6400万円が、支部から高市さん本人に渡っていたことが今明らかになっています。これを国会で追及しようと思っていたんですよ。ところが、逃げた。
それから、統一協会TM文書があります。TMとは「トゥルー・マザー」、「真の母」のことで、韓国にいる韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に日本の協会の会長が送った文書のことです。
これを見ますと、自民党議員290人を統一協会が応援したとはっきり書いてある。高市さんは32回も名前が出てきます。私も読みましたが、「自民党総裁選挙の時に、高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願いだ」と書いてある。この時の総裁選では、高市さんは総裁にならなかったんですけど、そういうことが書いてある。
萩生田光一さんのところが一番分厚く、いろんなことが書いてあります。萩生田さんは、「常に安倍元首相を私たちにつなげてくれた仲介者だ」とあります。安倍さんが統一協会のいろんな集会で挨拶した、そういったことを全部つないだのは萩生田さんだと、はっきり書いてある。
これから沖縄の名護、辺野古のあるところで市長選挙があります。翁長久美子さんという素晴らしい候補者を擁立し、オール沖縄で闘います。2018年の名護市長選挙の時、統一協会は自民・公明・維新が推薦していた渡具知(とぐち)さんという現市長を支援していたと書いてあり、それが生々しいんです。九州地方の若者の信者を現地に動員して件の電話をかけました。こんなことが書いてあるんですね。
23日に国会が始まったら、こういった問題が徹底追及されたら重大なことになるということで、疑惑隠しに走ったのではないかと言われても仕方ない。
内政でも外交でも論戦を恐れて、うわべの支持率を頼りに窮地に追い込まれる前に選挙で逃げ切ろうという、よこしまな企みです。
ですから、主権者、国民が審判を下す、そういう選挙にしなければならないと思っておりますので、ぜひ力を合わせていきたい。

■消費税し一律5パーセントに減税

具体的な課題で言うと、やっぱり暮らしの問題からお話をしたい。
物価高問題に対しては、消費税は廃止を目指し、直ちに一律に5パーセントに減税しようと言っています。食料品だけでもという声もありますが、上がっているのは食料品だけではない。すべて上がってます。光熱費も携帯の料金も何でも値上がりしている。だからすべてを一律5パーセントにする。そして、廃止を目指していきたいと。
一律5パーセントにすれば、複数税率だからという理由で導入されたインボイスの撤廃も、口実がなくなるのでやっていけるだろうと思います。
消費税を5パーセントに減税すると、平均で、年間だと約12万円の減税になります。手取りが増えるんです。しかもこれは所得税、住民税を払っていない方にも回っていくわけですから、一番効果的です。
実はコロナ危機以来、消費税・付加価値税の減税は世界各国に広がっております。世界で116の国と地域で、何らかの形で消費税・付加価値税の減税をやっています。これが景気対策としても、物価対策としても有効だということだと思います。
先の参議院選挙では、消費税減税あるいは廃止を求める議員が割以上当選しているわけです。今の参議院の割、64%が、そう言っていた人たちなんです。ところが、選挙が終わったら、国民民主党も維新も参政党も、あんまり言わなくなってしまっている。これには「公約を守れ」という声を上げていかなければいけないと思うんですね。
高市さんだって、自民党総裁選挙の時には、「食料品の消費税率ゼロ」と言っていたのに、国会で追及されたら、「恒久財源があるならば、私もやりたいと思っていた」と言う。
私は石破さんの時に予算委員会で、恒久財源の問題を取り上げました。「大企業の減税をさんざんやってきた。それで賃金上がりましたか。設備投資は増えましたか、内部留保が増えただけじゃないんですか」と言ったんです。そしたら石破さんは何と言ったか。「小池さんのご指摘のように、法人税を下げたことが、決して思ったような効果を上げなかった。深い反省のもとに、これから先、法人税改革に取り組んでまいりたい」と、「深い反省」とまで言ったんですよ。石破さんは、一応、いいことを言うだけは言うんですけど、あまりやらないんです。そういったやりとりもあったんですよ。
それならば、いま11兆円もの大企業向けの減税をやっているわけだから、それを見直せばいいではないかと思うんです。大企業にむちゃな負担を求めろと言っているわけじゃない。負担能力はあるはずだと言っている。巨額の内部留保や役員報酬に回っているんじゃないか、それを活用すべきではないかと思うんです。

■「1億円の壁」問題

それから、もうひとつのゆがみが所得税の「1億円の壁」なんです。これは日本共産党の大門実紀史(だいもんみきし)参議院議員が言い出したんですが、今や財務省も「1億円の壁」という言葉を使うようになりました。
これは所得が1億円を超えた途端に、所得税の負担率がだんだん下がっていく現象があるわけです。なぜ下がっていくのかというと、所得1億円を超えた方の所得の大半は金融所得なんです。株の譲渡益、あるいは配当益で、そこが20%の税率ですから、こうなってしまう。だから、この「1億円の壁」を何とかしようじゃないかと、さんざん言ってきて、予算委員会では加藤財務大臣に質問したら「これを20億円、30億円で見直すようにします」と言うんです。
「ちょっと待ってください、1億円の壁なのに、なんで30億円なんですか。所得30億円以上の人は何人いるんですか」と訊くと、「200人から300人程度でございます」との答えです。そして、所得1億円以上の人は何人いるんですか」と言ったら、「2万8400人でございます」。
所得1億円以上の人が2万8400人もいるんですね。今日、この会場の中にもかなりいらっしゃるのではないかという気もしないでもないですけれども。
「2万8400人のうち200、300人しか見直さないっていうのはどうかしているんじゃないか」と言ったら、今度は「6億円で見直す」と言い出したんです。そこで、「6億円だと何人です」と財務省に聞いたら、「2000人」だと言うんです。もう、ちまちましたことやらないで、きちんとやったらどうですか。こういったことで財源を作れるじゃないかと、まず言いたい。
それからもうひとつ、経済の問題でどうしても言いたいのは、物価が上がっているにもかかわらず賃金が上がらないことです。
何でこんな事態になってるのか。今、多くの企業が黒字なのにリストラをする。黒字リストラがはびこっております。これは11月の予算委員会で、私が取り上げたんですが、早期希望退職を募集した昨年、企業の7割は黒字なんです。たとえばパナソニック・ホールディングスは1万人のリストラをやりました。副社長は「何でリストラしたのか」と訊かれて「株価が通信簿だからだ」と言いました。株価を上げるためだとあけすけに言っているわけです。株価を上げるためにリストラをすれば、短期の利益は上がりますよ。株主は大儲けするでしょう。しかし、国民の暮らしが疲弊したら、企業の活動だって衰退していくんじゃないか。
それから株価をつり上げるために自分の会社の株を買い戻す「自社株買い」が、いま広がっている。本来これは労働者の賃金や下請けに回すべきお金です。「自社株買い」は、以前は禁止されておりました。しかし、小泉・竹中改革で解禁されて、いま急速に広がっています。
こういう形で何が起こっているか。この間、大企業の利益は、「失われた30年」と言われる30年間で純利益16倍になっています。株主への配当は10倍になっています。内部留保は3.5倍です。ところが、賃金は1.1倍なんです。物価の上昇がありますから、実質賃金はマイナスになっているわけです。
これが失われた30年です。予算委員会で、「これはまさに搾取ではありませんか」と言いました。私も25年、国会議員をやってますが、「搾取」という言葉を使ったのは初めてでした。
こけに高市さんが何と答えるかなと思ったら、これには触れませんでしたね。触れられないんだと思います。「搾取だ」と言ったら大変なことになります。搾取ではない」とも言えないんだろうと思うんです。
大金持ちの株主や大株主がもっと金持ちになる。その一方で、労働者の賃金が上がらない。儲けている大企業はもっと儲けるようになる。しかし、中小企業は疲弊する。倒産が相次ぐ。これでいいんだろうかと、言いたい。
一部の株主の利益のために国民の雇用、賃金を犠牲にすることをやっていたら、日本の経済はますます疲弊してしまうのではないか。

■過労死が蔓延している

大企業が儲けた分は労働者の賃上げと労働時間の短縮に回す。下請けいじめをやめて適正な代金を払う。これが必要だ。ところが、高市さんは労働時間の規制緩和、つまりもっと長時間労働をさせろと言い出して、いま検討しているわけですね。
長時間労働のもとで何が起こっているか。まさに過労死が蔓延している。2014年に過労死防止法が作られましたが、過労死は後を絶ちません。過労死等での労災認定件数、この5年間、増え続けています。2024年度は1304件と過去最多になっています。
過労で亡くなるところまでいかなくても、労災認定でこれだけでも増えていて、とくに精神障害、メンタルヘルスの障害の方が増えています。
そもそも日本のフルタイム労働者の労働時間は、ヨーロッパの主な国と比べて年間300時間も長い。8時間労働だとしても、通勤時間、休憩時間を含めれば、10時間を超えます。さらに、残業、休日出勤、サービス残業という違法、脱法行為が広がっている。
労働時間を短縮して、十分な睡眠はもちろん、余暇や趣味を楽しんで、豊かな教養を育んで社会活動に取り組むことは、働く人の大切な要求だと思います。男女がともに家事や育児、介護ケアを分かち合える社会にする。そのためにも労働時間を短縮していく。
ところが、賃上げせずに労働時間を延ばすという、ますます搾取しようというのが今の日本の政治になっているんじゃないか。
私たちとしては、大企業言いなりの政治をやめ、搾取をやめて、もっと自由に使える時間をという、マルクスが「資本論」で呼びかけたような中身を、この日本でも実現していくことが必要ではないかと思っております。
そういったことを、総選挙になった場合には正面から訴える。そういう選挙にしていきたいと思っています。

■ベネズエラ問題 トランプ政権は国連憲章違反

いま、世界でいっぱいいろんなことが起きています。
先日、時事通信社の新年会がありまして、行ってきました。時事通信社の社長も、日本新聞協会会長の朝日新聞社の中村会長もみんな、ベネズエラの問題を語り、新年早々大変なことになったと言っていました。
オールドメディアと言われますが、こうした事態をきちんと報道していくことが必要だという、そう話していたのに、高市さんは国際情勢についてひとことも触れなかったんです。ちょっとびっくりいたしました。
トランプ政権がやったことは、どこから見ても国連憲章違反です。国連憲章は、武力行使も、武力による威嚇も禁止している。アメリカはベネズエラから攻撃されているわけでもないし、国連決議もないわけです。どう考えてもあり得ない話です。
日本共産党は2017年にマドゥロ政権が反対勢力を抑圧した、人権を蹂躙したことを厳しく批判をいたしました。民主主義を回復しようと強く求めました。2018年には大統領選挙をやりましたが、反対勢力を排除した選挙でしたので、もはや政権としての正統性が疑われると指摘をしました。しかし、だからと言って、いかにひどい政権だからといって、武力を使って他国の政治指導者を拉致して、自分の国に連れていって裁判にかけるなんてことが、認められるはずがない。拘束者を解放し、侵略を中止すべきです。
問題は、何でアメリカは、こんな暴挙に出たか。去年の12月にアメリカの国家安全保障戦略というのが出されまして、中南米を含む西半球はアメリカの勢力圏だとしたんです。トランプさんは今回の軍事行動をこの戦略の実行の一環だと言いました。南北のアメリカ大陸をいわば自分たちの縄張りだと見なし、モンロー主義というのがありますけれども、トランプさん自身が「ドンロー主義」だと言っているわけです。まさに力による支配です。
もはや、国際的な秩序を一顧だにしない。意に沿わない政権を力ずくで排除する。まさに覇権主義というか、もはや帝国主義と言った方がいいかもしれない、力による現状変更だと思います。
こうした無法がまかり通れば、世界のどこであれ、ウクライナであれ、パレスチナであれ、東シナ海であれ、力による現状変更を批判できなくなってしまう。
国際平和に特別の責任を持ってる大国が世界のルールを無視して横暴すれば、世界は無法なジャングルになってしまいます。しかも、グリーンランドの領有ということまで言っている。先日、今回の事態が起きる前でしたが、デンマーク大使館へ行き、デンマーク大使と話す機会があったので、「アメリカがグリーンランドを領有するというような話がありますが、どのようにお考えですか」と大使に聞いたんです。大使はアメリカと名指しはしませんでしたが、「2つある」と言いました。ひとつは、「グリーンランドはデンマークの自治領である」。もうひとつは、「グリーンランドの将来はグリーンランドの人々が決めるべき問題だ」と。
そのとおりだと思います。
だから、世界中から批判の声が上がっている。ところが高市さんは、ロシアがウクライナを攻撃した際には、直ちに「明白な国際法違反だ」と言ったのに、ベネズエラ攻撃について一切の批判を、いまだやっていません。高市さんは「世界のどこであれ、力による現状変更は認めない」と繰り返し言ってきたわけです。それなのに、アメリカがやったことには何も言えない。本当に情けない、恥ずべき姿だと思います。
アメリカファーストと言い、「力の支配だ」と言っているアメリカに対し、「日米同盟は絶対だ、何があってもついていく」というのは、こんな危険なことはないんじゃないでしょうか。
だから、「アメリカ言いなり政治は本当に見直さなきければいけない」と言う時だと思います。アメリカに言われて、軍事費もGDPの2パーセント、さらに3パーセントと、そんなことも狙っている。来年度予算では、ついに9兆円を超えました。日本を守るものなのかと言うと、日本ではなく他国に打ち込むミサイルに9733億円です。辺野古新基地建設に過去最高の3373億円です。辺野古は埋め立てが16パーセントしかできていないのに、予算の予定額の9割を使ってしまった。もう周辺野古建設なんかできないですよ。
だいたい、造っても超軟弱地盤です。90メートルまで軟弱地盤なのに、日本の技術では70メートルまでしか、くいが打てない。だから、できたとしてもズルズルズルズル沈んでいく基地になると言われているわけです。
そういうなかで台湾有事発言が出たわけです。日本に対する武力攻撃がなくても、台湾有事になれば、間違いなく存立危機事態になるという発言です。これはどう考えても憲法に抵触することになるのではないか。
だって、「日本に対する武力攻撃がなくても、米軍を守るために自衛隊が中国に対する武力行使を行なうと、戦争を行なうことがあり得る」と言ったわけですから。これはやっぱり許されるものではないと思います。

■安保法制は危険である

いま、いろいろな議論がありますが、これは安保法制がやっぱり危険だと言うことの証明だと思うんです。
「存立危機事態」は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」です。ちょっとよくわからないんですけど、我が国が攻撃されていないのに我が国の存立が根底から覆されるというのは、考えられない話じゃないかと。我が国が攻撃されていないわけですから、そんな時に自衛隊が武力行使することが今の憲法で認められるわけがないと思うんです。
9条が改憲されているならともかく、改憲は許せませんけど、9条が変えられてもいない時に、政府が勝手に存立危機だなどと言って、他国の戦争に武力で介入するなんてことは許してはいけないと思うんです。
政府のその時の話ししだいで戦争ができる、そんなことが許されるわけがない。
ところがここからはちょっと辛いことを言いたいんですが、立憲民主党が安保法制の憲法判断を見直すとおっしゃった。安保法制強行の2015年から10年経って事態が変わったとおっしゃるんですが、10年前に違憲だったものが、10年経って合憲になるわけがありません。
これまで日本は解釈改憲を重ねてきたわけです。ずるずる解釈改憲をやってきたわけです。現実的な安全保障政策だなどと言って、既成事実化していくことはあってはならないと思うんです。
きょう記者会見をやりまして、立憲民主党と公明党の新党の問題について質問されましたので、「いま、新党がどういう政策を掲げるのかまだわからない。近々発表すると聞いているので、そこは注目していきたいと思っている」と言いました。
我々として注目しているのは、公明党は2015年に自民党と一緒になって安保法制を強行した政党であり、一方で、立憲民主党は私たちと一緒に、違憲だと言って反対した政党でした。その後10年間も、立憲主義を取り戻す、安保法制を廃止すると、いろいろな表現はありましたが、確認しながら選挙で協力してきた。その公明党と立憲民主党が、いったいどういう立場で合意をするんだろうかということです。それ以上のことは言いませんでした。そこは注視していきたい。月曜日に政策綱領が発表されるそうですから、そこをしっかりと見ていきたいなと思っています。

■高市発言の問題点

高市発言に戻ります。未だに、しがみついているわけです。これは許されないと思う。
日本共産党の立場を言います。私たちは、「中国による台湾に対する武力の行使、武力による威嚇、そしてアメリカに、あるいは日本による軍事介入にも反対だ」とはっきり言ってます。中国にも伝えています。
同時に「高市発言は、日中両国のこの間の確認、合意に反するものだ」とも言っています。1972年の日中共同声明では「中国政府が、台湾が中国の領土の不可分の一部だと表明したことを十分理解し、尊重する」と日本政府が言うと、中国は当時納得しなかったんです。そこで日本政府は知恵を出して。「ポツダム宣言第8項を堅持する」と書き換えたことによって、中国も納得して日中共同声明ができたんです。これは当時の外務省の方が文書に書いております。
では、「ポツダム宣言第8項」とは何か。「カイロ宣言の履行」です。
「カイロ宣言」というのは何かというと、「日本が奪った台湾を中国に返還する」と書いてある。このことを書き加えたことによって、中国が納得して日中共同声明ができたわけです。
ですから、台湾問題に軍事的に介入する可能性を公言したことは、まさにこの中国側の立場を踏みにじるものであることは間違いない。その後、日中両国は1972年の日中共同声明以来、双方は互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないということで合意しているわけです。
高市発言は、この合意にも反する発言だと言わなければならない。
これは本当に深刻です。撤回をしてもらわなければいけない。
中国側はさまざまな対抗措置をとっています。日本共産党は中国に対して今3点の申し入れをやっています。
ひとつは、高市発言にあらわれたようなごく一部の右翼的潮流と日本国民を区別した対応をしてほしい。
もうひとつは、この問題を両国の人的交流や経済問題、文化問題にリンクさせないでほしい、させるべきじゃない。あくまで政治問題として解決すべきである。
3つ目は、事実に基づかない言動は慎むべきだ。これは首をちょんぎるとか、いろんなことがありましたので、そういったことをやめるべきだ。
これを中国側に伝えています。この3点を伝えたと自民党の人に言いますと、みんなびっくりするんです。「そんなことを、中国に言ったんですか」と。
なぜ我々は言えるのか。そして中国側もそれをきちんと受け止めるのか。それは、高市さんに「撤回しろ」と我々が言っているからです。その上で、言っているから中国側も聞く耳を持つわけであります。
繰り返しますけれども、この問題を解決するためには、発言の撤回がどうしても必要ではないかと思います。

■日本は平和のために大きな役割を果たせる

最後に国際情勢の話をしますと、私はいつも、日本というのは本来、世界の平和のために大きな役割を果たせる国だと思っています。ですが、それができていないんじゃないか。
ガザの問題だってそうです。日本は、パレスチナとイスラエルと両方ともにきちんと外交的なルートを持ってきた。では、その役割が発揮されたかというと、アメリカが支援するイスラエルにものが言えないということが続いてきたわけです。私はアメリカがアフガンを攻撃した時、アフガニスタンの国境近くのパキスタンの町まで行きました。そこで聞いたことが、「日本はアメリカと戦争して、広島、長崎に原爆を落とされた国ではないか。その日本が何でアメリカと一緒に戦争をするのか」と、さんざん言われました。
それから、「日本はイスラム教を弾圧したことがない国じゃないか」とも言われました。たしかに十字軍にも加わったことがないわけです。その日本に対するものすごい信頼感があった。でも、それが壊された。当時、アフガニスタンのタリバン政権と西側で唯一外交関係を持ってたのは日本なんです。ところが「戦争だ」とアメリカが言った途端に、そういう外交的な資源を全部、放棄してしまった。もしそういう役割を日本が果たしていたら、世界の平和に大きな貢献ができたと思うんです。
核兵器禁止条約だってそうです。いま、世界で大きな流れになっている。そこに唯一の戦争被爆国である日本が加われば、絶大な力を発揮することは間違いない。しかし、アメリカに気兼ねをして参加しようとしない。
ASEANでは対話の習慣が広がって、それを北東アジアに広げようとしている。しかし、北東アジアでなぜそういう安全保障の枠組みを作れないか。いろいろあるけれども、やっぱり過去の侵略戦争、植民地支配に対するきちんとした反省、歴史問題の解決ができてないからだと思うんです。
いずれも、日本の政治の責任が大きいと私は思うんですね。
日本は憲法を持ってます。憲法の前文で何と言っているか。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と平和的生存権を定め、憲法9条で徹底した平和主義をうたっているわけですね。これを生かした外交をやれば、世界に本当に大きな役割を果たせるんではないか。
こういう話をすると、自民党の人は「いや、小池さんの言うことはわかる、外交は大事だ。でも、外交には軍事の裏付けが必要ではないか」と、だいたい、そういうこと言うんですね。
でも、やっていることは裏付けばかりではありませんか。「攻めてきたらどうする?」「攻めてきたらどうする?」挙げ句の果てに、「攻められる前に攻めてしまえ」です。
でも日本というのは、どの国もそうなんですが、絶対に戦争なんかやっちゃいけない国だと思います。
戦争なんかになったらひとたまりもないじゃないですか。海岸線には原発がずらっと並んでいる。食料自給率38パーセント、エネルギー自給率10パーセントちょっとでしょう。もう、ひとたまりもないですよ。
私は憲法9条を持つこの国の政治家の最大の仕事は、「絶対に戦争させない。そのために命がけの外交努力をやるということ」ではないかと思うんです。
ぜひそういう立場で頑張っていきたいと思います。

■世界で起きている変化

世界では大きな変化が起こっております。
イギリスでは労働党前党首のジェレミー・コービンさんがパレスチナ支援を表明したことで、労働党から党員資格を剥奪されて新党PARTYを作りました。これがいま、労働党を超える支持率を得ていると言われています。コービンさんは、昨年のヒロシマナガサキ原水禁世界大会にも来られて、私もお会いしました。
ドイツの左翼党も、ここも1年間で8万人という規模で党員を増やしている。なんで党員増えたのかと訊くと、ドイツでは保守勢力などが極右政党に協力をして、移民・難民制限の決議を上げたんです。ドイツは主要政党が極右との協力を拒否してきた歴史を持っていた。それを「防火壁」と呼ぶそうですが、それが破られてしまった時、ドイツ左翼党の若い女性の幹部が、「我々は防火壁になる。あきらめないでファシズムに対抗しよう」と訴えて、これが大きな反響を呼んだと聞いています。
アメリカのニューヨーク市長選挙では、マムダニさんが勝利した。社会主義を語っている人がニューヨークの市長になるわけです。小池百合子さんじゃなくて、小池晃が東京都知事になるようなものです。そういうことが起こったわけですよね。彼は、本当に明確に、「現状の資本主義は、富裕層と大企業による搾取だ。略奪型資本主義だ。これを変える。家賃の値上げをやめる、無料のバスを走らせる。保育は無償化をする。そして市営の公共のスーパーを設置する」と言った。
トランプ政権のもとで、分断と排除が広がったアメリカのなかで、資本主義への批判を明確に示す勢力が大きな潮流になってきているんです。トランプさんは慌てて、「狂った共産主義者を市役所に入れるな」と攻撃したけれども、ニューヨークの市民はまったく意に介さなかった。
私は日本も必ず変えられると思っています。
高市政権の「戦争する国づくり」を止めるために、共産党も頑張りたいというふうに思いますし、ぜひ思いを同じくする人たちと力を合わせて、政治を変えていく、そういう流れを作るために頑張りたいと思っております。

対談・質疑応答編に続きます。>>

NEW!!【活動報告】第34回「映画「原発をとめた裁判長」上映会+アフタートーク」のレポートを公開!

第34回は、2月16日に、「『原発をとめた裁判長』上映とアフタートーク」として、長野県政治の新たな選択肢をともにつくろう」と題して、長野県北安曇郡松川村の「すずの音ホール」で開催されました。

映画の主人公である元福井地方裁判所部総括判事・樋口英明さん、監督の小原浩靖さん、参議院議員の杉尾秀哉さんによるトークが行なわれ、原発、エネルギー問題について会場からも意見が出て、活発に論じられました。
司会進行は池田町議会議員の三枝三七子さんです。

■樋口裁判長に希望の光を見出した

私はお隣りの池田町の町議会議員の三枝三七子と申します。「さんえださんさんなな」で三三七です。どうぞよろしくお願いします。
私は、福島第一原発の事故が起こりましてから、東京から避難移住をしてきました。もう長野生活も長くなりまして14年になります。池田町に来たのは3年前になります。
いま、こんなに自然が綺麗なところに暮らしてよかったなと思っています。
今日の映画にもあった大飯原発ですが、2012年に東京から避難しようかどうしようか悩んでいるとき、大飯原発再稼働に反対する若い人たちが、一生懸命に原発を囲んで運動してくれていたんですが、そこに大量の機動隊が投入されて、ひとりひとりごぼう抜きにされるというニュースが報道されました。それを見ながら、本当にこの国は変わらないのかなと思いました。
ところが、2年後に樋口裁判長判決が出まして、それを受けて「こんな裁判長がいるんだ」と思って、日本に希望の光を見出したひとりです。
では、樋口さんのお話です。】

樋口さん
■「裁判官は弁明せず」だが…

ドキュメンタリー映画はよくありますが、多分、裁判官が主人公になっている映画は、私は、この映画以外、知りません。
すでに私は脱原発のために講演活動をしていたんです。なぜこの映画に出演することになったかといいますと、小原監督の誘い文句がうまかったんです。
「樋口さんは講演活動を一生懸命やっておられるけど、せいぜいできて、年に50回ぐらいでしょう。樋口さんを主人公にした映画を作れば、たとえば100の劇場で10日間上映すれば、樋口さんが1000人登場する。だから千人力、万人力になるんです」と、こういうお誘いを受けました。この人は人たらしだな、とうまいこと言うな、と思いました。
そもそも私がなぜこういう活動をやっているか。その理由を話したいと思います。
皆さん、お聞きになっているかどうか分かりませんが、昔から「裁判官は弁明せず」という言葉があります。裁判官は判決にすべてを書くべきであって、判決を出した後、どうのこうのと言うべきではないという考え方です。これは昔からの裁判所の伝統だったんです。
私が大飯原発の判決を書いた2014年の5月21日の2カ月ほど前、3月27日に有名な決定が出ました。袴田巌さんの第二次再審請求について再審を開始する決定です。
大飯原発のことを知らない人はたくさんいますが、袴田巌さんのことを知らない人は、ほとんどいないと思います。袴田さんは去年無罪判決を勝ち取りましたが、そもそものきっかけは、再審開始決定でした。再審が始まらないと無罪判決が出ません。その再審開始決定を出したのが、静岡地裁の村山浩昭裁判官で、彼は私と同期で友人です。
村山裁判官は、単に再審決定を出しただけではないんです。単に死刑の執行を停止しただけじゃなく、袴田さんを釈放しました。これはやっぱり異例のことなんですよ。
多分あのとき袴田さんを釈放していなければ、こんにちまで袴田さんが生きていることはなかったと思います。
彼は理由の中でどういうことを言ってるか。決定書の中で、「袴田さんを死刑囚としてこれ以上拘置すること、身柄を取ることは、耐え難いほど正義に反する」と言ったわけです。
裁判官は、普通はそういうことも言わないんです。「耐えがたいほど正義に反する」なんてことは。
彼は、退官後、袴田さんの無罪獲得に向けて実際に行動しました。そして今、再審制度の改革に向けて運動をしています。
耐え難いほど正義に反すると思えば、裁判官も沈黙を破るんです。

■日本で原発を推進することは耐え難いほど正義に反する

いま、日本で原発を維持することは、耐え難いほど正義に反します。
そもそも原発というのは、人が20秒間近づくだけで死んでしまうような、死の灰を生み出すんです。20分間近づくだけで死ぬんですよ。青酸カリやフグの毒でも、体内に入れない限りは大丈夫です。でも、死の灰は、近づくだけで死んじゃうんですよ。
たとえば、このマイクが放射性物質だとしたら、私はもう死んでいます。杉尾先生も非常に危ない。皆さんも半分くらいは重い病気になってしまうかもしれない。
そんなものを、何万年にもわたって後世の人に残すのは、正義に反することは明らかでしょう。
福島原発事故は、映画でご覧になったように東日本壊滅の寸前の寸前まで我が国を追い詰めたものです。そういうものを、さらに推進するって言うんですよ。耐え難いほど正義に反するんです。
もし私が福島のような事故はもう二度と起こらないんじゃないかと思えば、沈黙を守ったと思います。
だけど、福島のような事故が起こる可能性はあります。私は判決にこう書きました。
「大飯原発が重大な事故を起こす可能性は、万が一の事故という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険だ」と、書いたんです。
万が一の事故ではないんです。本当に危ないということを、この映画では伝えたかったんです。そのことは理解していただけたんではないかと思います。

■原発は人が管理しないと暴走する
暴走したときは国が滅びる

一時は国民の8割が脱原発を支持していたと言われていましたが、今や4割だという。なぜ、そんなふうになってしまったのか。岸田さんが変えたんです。原発回帰の動きになってしまいました。それを平然と国会議員も国民も見ているだけです。マスコミも大騒ぎしない。なぜこうなってしまったのか。
一番の原因は、岸田さんが悪いのでなければ、電力会社のせいでもない。一番の原因は、我々の心の中にあるものだと思います。
それは「原発問題は難しい問題だ」という先入観です。
原発問題は決して難しい問題ではありません。たった2つのことを理解しておけばいいだけなんです。
ひとつ目は、「原発は人が管理し続けないと暴走する」ということです。人が電気と水で原子炉を冷やし続けない限り暴走するんです。
2つ目は、「暴走したときの被害は、国を滅ぼすほどでかい」。この2つだけです。
人が管理しないと暴走する。暴走したときの被害はとてつもなくでかい。この2つだけですよ。
福島の原発事故では何が起きたのか。津波や地震で原子炉が壊れたわけじゃないんです。地震で、外部電源がやられて津波で非常用電源がやられて、要するに停電しただけです。
停電しただけで、あれだけの被害になる。この2つを理解しているか理解してないかで、すべてが決まります。
この2つを理解しておけば、すべて正しい結論に達します。

■老朽原発は老朽化した大型旅客機に似ている

日本の原発のほとんどが運転開始から40年ぐらい経っています。
3.11当時、自民党と民主党を含め全与野党が決めた40年ルールを守りさえすれば、日本から原発はなくなるんです。
だけど岸田さんはそれを外してしまい、60年でも70年で原発を動かしてもいいことにした。
たとえば60年前の自動車に乗っている人がいます。「危ないからやめろ」と誰も言わない。いいんです。60年前の自動車に乗っても。なぜかっていうと、60年前のものに乗っていたら必ずトラブルが起きます。たとえば燃料漏れが起きたからどうしますか。道の脇に車を止めてJAFを呼べば、すべて解決する。
家電でも、調子がおかしくなったら、どうしたらいいか。コンセントを抜けばいいだけですよ。すべてのものは、運転を止めれば解決の方向に向かうんです。
だけど、原発だけは駄目です、運転を止めても冷やし続けないとメルトダウンします。大事故になる。
老朽原発は何に似ているかというと、老朽化した大型旅客機に似ています。人が管理し続けないと、大事故になる。60年前の旅客機に誰か乗りたいと思いますか、という単純な話です。

原発のコスト論は言ってはいけない

裁判をやっているってとき、コスト論が出ます。要するに、原発を動かした方が得じゃないかという論です。そういうコスト論に対して、コスト論は言ってはいけない。原発は多くの人の生活を奪うからコストは言ってはいけない。
だから判決の中でも、コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるけれども、たとえ大飯原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の損失や流出と言うべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろしていることが、国富であり、それを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると、当裁判所を考えていると書いたんです。
この考えはまったく変わっていません。だけどコスト論をたびたび言われるから、売られたケンカは買わないといけないということで、コストを論じてみました。
難しい話ではなく、単純な算数の問題です。福島原発事故による損害は、ざっと25兆円です。少なく見積もって25兆円です。東京電力の売り上げは、ざっと見て5兆円です。利益率は5%です。
ということは1年間に2500億円稼ぎます。25兆円を2500億円で割ると100年です。東京電力はあの事故一発で100年分の利益を吹き飛ばしました。
100年分の利益を吹き飛ばしてしまうようなものは、コスト論は論じられません。コスト的にまったく引き合わないのは明らかです。
茨城県にある東海第2原発でああいう事故があったら、損害額は600兆円です。国家予算の6年分です。
もし仮に、映画の中に出てた2号機の格納容器が爆発した場合の損害額は、2400兆円です。我が国は確実に破滅します。
この数字は何を示しているか。この数字は、原発は単なるエネルギー問題でないことを示しています。

■原発は自国に向けられた核兵器

原発はエネルギー問題でもあるし、人権問題でもあるけれども、一番大きな軸足を置いているのは、国防問題です。
原発が地震でやられても駄目だし、外国からの攻撃、テロにも弱い。
その原発を54機も、しかも海岸沿いに並べてしまった時点で、我が国はどの国と戦争しても勝てません。
だけど、その国が敵基地攻撃能力を持つと言っている。敵基地攻撃能力を持つことと、原発を持っていることは、どう考えても矛盾します。
でも、矛盾しないという説明は可能です。どう説明するかというと、岸田さんたちは、仮想敵国やテロリストが我が国の原発を攻撃することはないと、テロリストに対する高い信頼を持っています。それだと矛盾なく説明できます。
「原発は自国に向けられた核兵器である」というのは、映画の中に出てきた河合弘之さん(弁護士)の言葉です。
重大な物事を正しく決定するために必要なのは、細かい技術的知識じゃないんです。物事の本質を捕まえる能力です。「原発は自国に向けられた核兵器」という言葉は、物事の本質を捉えています。
我が国から「自国に向けた核兵器」を除去するのに、膨大な防衛費も、難しい外交交渉もいらないんです。この豊かな国土を次の世代に正常に正しい形で移していこうという、本当の精神、愛国心、保守の精神とも言っていいですが、そういう正しい気持ちがあれば、容易に踏み出せる道のはずです。

■ひとりが2人に伝えていけば、
1年で1億2000万人に伝わる

講演会をやっていて、一番多い質問は、「樋口さんの話はよく分かりました。私は具体的にどうすればいいんでしょうか」です。
私はこう答えております。「私の話は、皆さん分かると思います。分かったなら、その話をあなたの大事な人2人に伝えてください。3人に伝える必要もないし、嫌いな人に伝える必要もない。大切な人2人に伝えてください。そのときにあなたから聞いた人も、私の話が分かったならば、それを2人の人に伝えてください。」
そうすると、一種のネズミ講です。1年以内に1億2000万人に伝わります。
そのことをお願いしたいと思います。

■登場人物全員がカッコいい映画
小原さん
今、皆さんがご覧になった映画は、実はとても珍しい映画なんです。
どういうことかとといいますと、登場人物全員がカッコいいということです。普通、劇映画でもドキュメンタリー映画でも、悪いやつとかセコい奴が出てきて、ドラマティックにしていくわけなんですが、この映画は、樋口さん、河合弁護士、農家の皆さん、全員がカッコいい。
とくに、農家の皆さんの笑顔がいい。
原発事故で被災されて大変な思いをしたにも関わらず、立ち上がってね、それで何という笑顔かと。そして言葉の説得力が、とってもカッコいいですよね。
僕は、あの人たちがなんであの笑顔で、言葉に力があるのか、撮影していて、よく分からなかったです。
よくわからないからこそ映画にした。
そして、日本にはこういうカッコいい大人がたくさんいることを、とくに若い人に伝えたかった、知ってもらいたいなと思って作りました。
そういう意思は伝わるものでして、この映画が公開されたのは3年前の2022年になりますが、東京の劇場で公開したら、大学生の男の子が終わってから僕に声をかけてくれました。「この映画、大学の授業で上映したいんですけど、できますか」と言ってくれたんです。「もちろん、できるようにしますよ」と答えまして、その半年後、2023年の5月に、早稲田大学の平和学の授業の先生を説得して、有志4人が企画して、授業で上映してくれたんです。しかも樋口さんと僕を呼んで、映画の見た後にトークセッションも、やってくれました。
そのときは本当に嬉しかったです。そういう学生さんこそ、カッコいいなと思いました。

■いまの大学生は福島原発事故を知らない

250人くらいが受ける人気のある授業だったんですが、そのときの感想文を寄せてくださったんですけれども、その中で僕が驚いたのは、「原発が爆発する映像を初めて見て驚きました」と書いてあるんですよ。
時の流れって、そういうことなんですよね。いまの大学生に、事故があって、どれだけの被害があったのかが伝えられていないんです。
その言葉を聞いて、ますますこの映画の役割は大きくなったと思いました。
樋口さんが最後に、「原発の危険性が分ったら2人の方に伝えてください」とおっしゃっていましたが、同じように、この映画を見て誰かに見せたいと思ったら、ぜひ教えてあげてください。
上映会をまだ全国で、毎月どこかでやっています。どこでやってるのかは、この映画のホームページにありますので見てください。それを教えてあげるとかして、広めてってほしいと思います。
この映画を、一番見てもらいたいのは、若い人たちと、原発に反対している人ではなく、むしろ推進している人。そして原発がいいのか悪いのかよく分からないという人に、特に見てもらいたいんです。
こういう形で、これまでに200団体が上映会をしてくださっています。1日に2回上映もありますから300回くらい上映していますが、まだまだ足りないと思います。
「民意が100万集まれば政治は動く」という話を聞きましたから、少なくとも100万人には見てもらわないと困る。そういう映画ですから、ぜひこの映画を誰かに伝えたいと思ったら、協力していただきたいと思ってます。

■新しい映画
いま、新しい映画を作ってます。今日ご覧いただいた、二本松の農家さんたちを中心に描いています。去年の5月から撮り始めて、今年の1月11日にクランクアップしました。1年7カ月、撮影して、もう編集が終わっていて、音楽を作っている最中です。ワンシーンですけれども、樋口さんにご登場いただいていています。われながら、とてもいいシーンができたなと思っています。
この映画の続編ではありますけれども、位置づけとしては続編という宣伝の仕方はせずに、まさに原発問題を知らない人、もしくは農業のことを知らない人たちに向けた映画として、広めていきます。
うまくいけば公開は今年の秋になると思います。タイトルは「陽なたのフォーマーズ」です。
「福島と希望」というサブタイトルがついてます。「陽なたのファーマーズ 福島と希望」です。覚えておいてください。

今日は、この映画のパンフレットとDVDと、サウンドトラックのCDを販売しています。
このパンフレットの最大の特徴だけ言っておきます。映画の中で出てきた樋口理論のグラフがそのまま載っています。樋口さんが、「2名の方に話を伝えてください」とおっしゃってましたけれども、そのときに使えるグラフです。これを見せて、「原発はこういうふうに危ないんだ」と言ったら、そのお友だちが「うん分かった、原発反対」となる、そういう非常に機能性を持ったパンフレットで、1部800円です。アイドルの写真みたいですけど、農家さんたちからの寄稿もあります。
そして、3年前の映画なのでDVDができてます。DVDにはおまけの映像として、福島の農場の人たちがその後どうなったかを描いた10分の短編映画も入っています。
サウンドトラックもあります。最後の素晴らしい主題歌とカラオケも入っています。
作詞は僕なんです。歌詞カードも載っています。
お求めいただければ、次回作の資金になるので、とても助かります。手に取って、見ていただければと思います。

三枝さん
次は杉尾参議院議員です。
去年か一昨年、今日も会場に来られています小出裕章先生に、「ぜひとも杉尾さんも参加していただいて、原発のことを勉強したい」と言ったときに、いつもなら小出先生は、「僕はさ、政治家、嫌いなの、知ってるでしょ」と言われるんですが、「でも杉尾さんならいいよ」ということで特別に引き受けてくださいました。
杉内さんは、私が紹介する必要もないんですが、なかなかぶれない、稀有な政治家だなと見ています。杉尾さんは、今日この映画を初めてご覧になったそうです。

■独立の気概のある裁判官がどれくらいいるのか

杉尾さん
本当に多くの皆さんに集まっていただいて、この映画を共有できたことを、とても嬉しく思います。私はこの映画、もちろん存在は知っていたんですが、見る機会がなくて今日初めて見させてもらいました。一言では言い尽くせない、いろんな読後感というか視聴後感がございました。
いろんなことを思い出しながら見ていました。TBSで記者をしていたときに、政治部に2年いた前に社会部に10年いまして、そのうちの4年間は司法記者クラブという、裁判所の記者クラブで記者をしてたんです。
警察庁、裁判所、それから弁護士会、そういうところを取材していましたが、何せ大学のときに全然勉強せず、しかも文学部の出身なもので、法律的なことがまったく分からなくて、ちんぷんかんぷんで日々、本当に苦労していたんですが、裁判を担当していくなかで、裁判所はこういうところなんだなと、思ったことがありました。
先ほどの映画の中に、国策という言葉がありましたけれども、まさに原発は国策ですよね。国策に対して裁判所っていうのは、物申してはならないということではないけれども、非常に物が言いにくい。
樋口裁判長がおっしゃった「独立の気概」をどれだけ持って、しかも国策に対して、しっかりとした司法判断ができる裁判官が、いまどれぐらいいるんだろうなと思いながら、見させていただきました。
映画に出てくる河合裕之弁護士は、全然違った方面で活躍していまして、金満弁護士と言われていました。平和相互銀行事件で大活躍した弁護士で、ものすごくお金を儲けていると言われていました。その河合弁護士のひとつの大きな転機になったのは、確か中国残留孤児の問題です。中国残留孤児の訴訟を手がけておられて、そのときに河合さんの別の一面を知りました。そしてずっと、この原発の訴訟に関わっておられる。
河合弁護士もそうですし、そして樋口裁判長もそうだと思うんですけれども、最後の判断基準は良心と常識だと思います。
何に照らして常識なのか。確かにこういう原発訴訟は難しい。私も全然、原子力発電のことはわかりません。それでも、この一線を踏み越えてはいけないだろうという、そういう常識があり、自分に対して正直であり続けること、それがいま、ものすごく難しくなってるんじゃないか。
そういうことを考えながら、この映画を見させていただきました。

■石破首相の良心はどこに

折しも、政府は第7次のエネルギー基本計画を策定中で、パブリックコメントを集めています。この春にも閣議決定されるだろうと言われておりますけれども、原発の新増設、原発のリプレースが前面に出てきます。それから、「最大限の活用」という言葉が使われています。
石破総理は、総裁選挙のときもその前の安倍政権のときも、ずっと「原発ゼロに近づける努力を最大限やらなければいけない」と言い続けてきたのに、自分が総理になったらいきなり、施政方針演説、所信表明演説で「原発の最大限の利活用」を言い始めるわけですよ。
石破さんの良心はどこにあるのか。
それが自民党の流れであったり、政治の流れであるわけです。
だんだん3.11の参加が記憶が少しずつ薄れていくにしたがって、あの事故はなかったことにしたい、なかったことにしようという、そういう気持ちが日本人の中にある、少しずつだけれども、大きくなりつつあるんじゃないかと、改めて感じました。

■原発は変われない日本の象徴

三枝さんが、冒頭に「変われない日本」と言いましたが、原発は変われない日本の象徴だと思います。あの原発事故を機に、あの福島の惨禍を機に、日本は変わると、本当はみんな心の中で誓いをしたはずです。それが忘れられている。
今日この映画を見させていただいて、私はあの3.11をもう一度思い出して、原点に戻らなければいけないと、深く、感じさせられました。
明日から国会で予算委員会ですけれども、国政の中でそういう声をで上げていく後押しをいただいたと思って、本当に感謝をしております。

最後に本を紹介させていただきます。樋口さんは『保守のための原発入門』という本を書かれておられます
どうも脱原発とか反原発というと、革新とか左とかそんなイメージで、原発推進というと保守というイメージですが、実は全然違う。脱原発こそ保守じゃないか。何を守るのかということだ――ということが書いてあります。どうか書店でお手にとってお読みいだたければと思います。

三枝さん
私もこの本を、映画会の上映が決まったときに、早速買って読みまして、本当に保守って何だったかをもう一度しっかりと考える機会になったと思っています。

質疑応答コーナー

会場の方1
質問じゃなく、感想です。
福島二本松市出身です。故郷を離れてだいたい50年で、安曇野市に住んで40年です。私の父は東北電力で、会社のひとたちと一緒に福島原発の近く数キロまで行ったことがあるんです。そのときにうちの親父は「原発は怖いぞ」と言ったんだけど、「新聞を見たら、99.99%事故はないと書いてあったぞ」と言ったら、「99.99っことは100じゃねぞ」と言われ、車の中で親子で喧嘩してしまったと覚えがあるんです、
99.99っていうのは非常に危うい計算じゃなかったのかなと思います。そういう意味でこの映画に共感と申しますか、ありがとうございますというか、原発の脆弱さが出たのかなということがわかりました。

会場の方2
杉尾さんに質問です。国会議員の方が本音はどう思っているのか。立憲民主党もそうなんですけど、自民党の方たちは、本当に危機感があるのかどうか。そこら辺のところを実際に議員の方と話されている、その感触で結構ですので、お聞かせいただけたらと思います。

■原発への考えは議員によって違いがある
杉尾さん
全員の議員と話したわけじゃないですけれど、立憲民主党の中でもニュアンスにやや違いがあります。岡田克也さんは委員会の質疑の中でも、再稼働までは認めると言ってました。多分、野田代表もそんな感じなんです。
私は基本的には再稼働は原則認めないという立場ではあります。再稼働も、もう何が何でも認めないという人もいるし、立憲も結構、幅があるんです。
自民党の中は、石破さんも原発ゼロと言っていたぐらいだから、そういう人も一部いるんですが、実際に政権を担うとなると、経済界の要請とか、AI時代で電気が足りなくなるとか気候変動問題が起きているとかで、一言でいえば、今あるものはとにかく使ってしまえというのが、自民党の議員のほとんどじゃないかなと思いながら見ています。ただ、人によって、だいぶ違いがあるんじゃないでしょうか。

会場の方2
そういう状況で、国会の中でどういうふうに地殻変動を起こそうとされているのか。ぜひ起こしていただきたいんです。そこのところをどうお考えになっているか、お聞きできたらと思います。

■政権交代がエネルギー政策を変える
杉尾さん
なかなか難しいんです。とにかくエネルギー基本計画が出てきます。審議の過程で、どれだけ言い続けることができるのか。いま40年ルールがもう事実上形骸化してて、60年、へたしたら80年、場合によっては100年もという話になっています。
だから、革命を起こすのは難しいかもしれないけれども、地道にこうした機会を通じて、国民の皆さんの理解が大事です。
我々も脱原発を、だんだん言いにくくなってきています。世論調査の数字を見ると、原発容認派が少しずつ増えています。そういう事情もありながら、苦しいけれども、それでもやっぱり言い続けるということ。
ゲームチェンジャー、政権交代ができれば、必ずもう一度エネルギー計画は見直すことができます。閣議決定でできることなので、端的に言うと、政権交代を起こすことが、エネルギー政策を変える最大の武器になるに思います。

■日本は立場主義で、それが欠点
会場の方3
石破首相の立場が変わってしまったという話でした。日本は立場主義の国なんだと思います。結局、その立場になると、どう思っていても良識があっても、その立場でものを言ってしまう。議員が首長になったら言うことが変わったら、役人も上に行ったらどんどん立場主義になっていく。これが日本の一番の欠点であると思っています。
そこで樋口さんにお聞きしたいんです。映画の中で、「裁判官は難しいことが理解できない」という話がありました。裁判官は立場主義の最たるところのひとつだと思います。ずっと経験されてきて、裁判官で、良識とか自分の考えで判決を出されている方と、立場主義で出してる人の割合というか傾向として、どちらが多いのでしょうか。
あと、どうやったら立場主義を脱却して樋口さんみたいに、自分の良識、自分の考えで発言ができるのか、アドバイスいただけたらと思います。

■自分の頭で考える裁判官は最高裁へ行かない
樋口さん
私はすごく恵まれていたのかなと思います。34年、裁判官をやっていましたが、私の周りには立場主義の人は非常に少なかったです。「樋口は運が良かっただけじゃないか」と言われると、それを否定はできないんだけど、自分の経験からすると、立場だけで考える人は少なかったと思います。
ただ問題は、自分の頭で考えて判断する人は、最高裁へは行かないんです。そこが我が組織の最大の問題です。最高裁は明らかに国政寄りの判決をします。それを見ている裁判官たちはどう思うかという話なんです。
裁判官教育もかなり悪くて、どういう教育をしているかというと、「判断に迷ったら過去の判例に従いなさい。過去に判例がなければ、いま最高裁が判決するであろう判決を自分で考えなさい」というような教育をしています。
私自身はそういう教育を受けていませんが、かなり大っぴらにされています。こういうことをやっていると、おかしくなると思います。
どういう人が最高裁へいくか。説明しにくいんですが、だいたい最高裁へ行く人は、地裁・高裁で35年とか40年、裁判官をやって、65歳ぐらいになって最高裁へ行く人が圧倒的に多いんですが、35年とか40年の裁判官経歴の中で、20年以上裁判をやってる人、15年やっている人は、最高裁へ行く確率はぐっと減ります。要するに、事務局的な仕事をやっている人が最高裁へ行くんです。
皆さん、これ知っといてください。とんでもないことです。最高裁が、裁判官の人事だけやっているんだったらそれはいいんですけど、最高裁は日本で一番重要な、しかも難しい事件の判断をする人なのに、裁判実務経験が少なくてもいいのか。
そういう人たちが書いた判決だから、35年ぐらい裁判をやっている私に勝てるわけがない。そう思っています。

■原発反対が減ってきたのはマスメディアの後退では
会場の方4
原発の反対の比率が8割ぐらいだったのが4割ぐらいになっているという話でした。
その大きな原因というか背景は、マスメディアの後退があるんではないでしょうか。
原発について、樋口さんがおっしゃっているその怖さ、恐ろしさこれについての特集、大々的な論調みたいな取り組みが最近、あまりないと思います。
世間とは簡単なもので、大手のマスコミがどんどん声を上げて言い出すと、また火がついてくると思うんです。「そうだったな、忘れちゃいかんな」と。
そういう意味でマスメディアが腰を引いているというか、そもそもあれは10何年前のことだということで、ペン先が鈍っていると思うんだけど、そのあたりどうでしょうか?

■福島の原発事故を報道し続けなければいけない
小原さん
マスメディアは、まず福島原発事故の被害の実態を報道し続けなければいけないと思います。一番大事なのは、そこです。
たとえば福島浪江町、双葉町へ撮影でよく行っていますが、どんどん「うすらぎれい」になっているんです。そういう日本語はないと思いますが。
国道6号線はきちっと整備され、浪江なんか「道の駅」ができて。観光の人たちが来て、もう素晴らしい施設ができています。けれども、6号線から一歩奥に入ると、こういう言い方はよくないけれども、ゴーストタウンです。更地になっているってことは、誰も住んでないということなんです。
僕は浪江を中心によくまわっていますが、浪江小学校と中学校はなくなっていて、更地になっていますが、山の方に行ったところの浪江高等学校は、そのままなんです。シュロの木がものすごく大きく育っています。要するに3月11日以降、先生も生徒も来ていないんで、そのままの状態になっている。
そういうことをつぶさに報道していくのが本当だと思うんですけれども、なぜか報道が、なくなっています。報道陣の、それこそ気概というか、使命としてやり続けなければと思うんです。けれども、それがなくなっている。報道すること自体がなくなっているんで、僕はしつこくそういうことを映画のテーマとして描いています。
人に伝えるという立場ではありますから、この映画を広めることもそうですし、新しい作品を広めることに努力したいと思います。
マスコミがなぜ報じなくなったのかについては、お答えできる知識がありません。

■もっとメディアが喚起してほしい
杉尾さん
マスコミ出身として、おっしゃる通りだと思います。ニワトリかタマゴのどっちが先かじゃないんですが、世間の関心が少しずつ薄れていくとマスコミも取り上げなくなり、そうすると、また世間の関心がさらに薄くなっていく。この悪循環がこのところ目立ってきている。
自分は長いものには巻かれないぞという独立の気概があるジャーナリストが、メディアにもう少しいれば、取り上げ方も違うと思います。そういう人が少なくなってきている。これは本当に大きな問題だと思っています。
映画にも出てきましたし、行かれた方はお分かりと思いますが、中間貯蔵施設に各地から運び込んできた莫大な汚染土がうず高く積んであります。あくまで中間貯蔵施設だから、30年後には最終処分場に持って行かなければならないんですが、地震と事故から、もう半分近く経っている。なのに、何も動いていないしそういうことを取り上げて、どこも何も問題にしようとしてない。
本当に、あの福島をどうすんだと。こないだ、1グラムか2グラムくらいの耳かき一杯のデブリを取り出して、ようやく一歩とか言っていますが、880トンあると推定されていますから、ごく僅かです。そういうことを考えれば、もうちょっとメディアが世論を喚起してほしい。
3月11日が近づくと福島を忘れないとやるんですけれども、日常的にやり続けなければいけない。そういう持久力みたいなのが、今のメディアになくなっているのは、出身者として寂しいし、大いに奮起せよと、今の人たちには言いたい。

■小出裕章さん登場
ここで客席の方からのリクエストで、会場にいらした小出裕章さんがマイクを持ちました。

小出裕章と申します。10年前まで京都大学原子炉実験所というところで、原子炉を動かしながら研究をしていた人間で、犯罪者のひとりです。福島の事故を防げなかったことを残念に思っています。
力及ばず、原子力を推進する人たちの圧倒的な力、国を中心とする力に負けてしまって、福島の事故を許してしまいました。
一刻も早く原発を止めたいと思っています。樋口さんがおっしゃる通り、非常に単純なことだと思います。多くの方がそれに気が付けば、止められると思っています。
ただ残念ながら、政治の世界では、難しいようです。私は「政治は大嫌いだ」と言ってきました。「原発はできる限り縮小しよう」と言っていた石破さんが、首相になったとたんに「最大限活用する」と、発言をコロリと変える。それが政治なのかなと思いますし、言ってみれば、自民党だなとも思います
そういう世界を変えなければいけないし、そのためにはひとりひとりの市民が賢くなるという以外、やりようがないんじゃないかと思います。ただ、マスコミの力は大変重要だと思っていますし、杉尾さんのご活躍も期待したいと思ってます。
皆さん、多分ご存知だと思いますけれども、福島の事故が起きた当日に、原子力緊急事態宣言なるものが発令されています。そのため日本では、被爆に関する法令がすでに反故にされてしまったまま14年も続いているし、この原子力緊急事態宣言、実は100年経っても解除できないと私は公言しています。
私も死んでるし、皆さんも死んでいるはずですけれども、ずっと日本という国は原子力緊急事態という状況のまま、いかなければいけない国なんです。そのことをマスコミがもっともっと報道すべきだと思うし、ニュース番組は始まった途端に「今日も原子力緊急事態が続いています」と言うべきだと思います。
こんな事態を引き起こした自民党という政党があるわけですけれども、きちっと反省してもらわなければいけないし、反省しないなら、自民党を落とすことをやりたいと思っています。
勝手なことばっかり言いました。ありがとうございました。

三枝さん
素晴らしいタイミングで小出さんにご登場いただけてよかったなと思います。
去年は『太陽の蓋』という映画の上映会を池田町で行ないました。今回2回目です。どちらも主催してくださっているのが武蔵野政治塾です。政治家を作る塾じゃないんです。
武蔵野政治塾は東京にございまして、いろいろお手伝いいただいて、今日の上映会もできました。事務局長の橘民義さんにご挨拶をいただきます。

橘民義 事務局長

今日は皆さん本当にありがとうございました。
今日は、「なんか映画があるから行ってみよう」というのでいらして、武蔵野政治塾に来たという認識はないかもしれませんね。
武蔵野政治塾、今日が34回目で、2年ちょっと前に始めました。だいたい、いつもこのぐらいの方に集まっていただいてます。一生懸命、必死になってやっています。なんで、そんなことをするのかと、さっきも地域のメディアの方に聞かれましたけど、樋口さんの言葉と同じで、「耐え難いほど今の日本の政治は正義に反する」ので、もうこれが許せなくて、何かしなければと思って、みんなで声をあげようじゃないかというので始めました。
私が武蔵野市の近くに住んでいるので「武蔵野政治塾」として始めたんですけど、全国に、いろんな地方に出向いてやらなければいけないと思って、あちこちでもやっています。長野では今回2回目です。前回は去年の3月に池田町でやっていただきました。
私自身、映画を作ってまして、その『太陽の蓋』という映画を池田町では上映しましたので、観に来てくださった方もいらっしゃると思います。あの原発事故、あの3.11の当時の首相官邸や東電、福島の現場を描いた映画です。
その映画をもとに、私もいろいろ原発のことを考えていますが、武蔵野政治塾は原発だけをやっているわけではありません。政治の全部のテーマに関してやらせていただいています。これからも、ずっと続けて、皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。

メディアの話が出てましたけど、私たちはメディアでも何でもなく、みんなで知ってもらうとか、みんなで一緒に考える場を作っていきたいと思っているわけなんです。
今のメディア、なんかいままでと違ってきました。もうテレビと新聞だけではなくなった。東京の都知事選とか兵庫県の知事選とか、これまでと違う展開が多くなっています。
多分、原発反対が8割いたのが4割になったのも、テレビ・新聞のせいではない。ネットの世界というのはものすごく激しい。何て言ったらいいのか、人を洗脳するといったら違うかもしれませんが、人の考えを、どんどんひとつの方向に、間違っていても正しくても、そっちへ持っていく力がネットの世界にはある。そういうところも、大きな影響を与えているんじゃないかと思っております。
そういうネットはどうなのかを、4月は武蔵野政治塾でやっています。
そんなことで、私自身、いろんな人と一緒に、こうやって話をしたり聞いたりするのが大好きなので、これからも続けていきます。
皆さんが集まってくれたことに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

拍手喝采の中、終了。ロビーにてサイン会が行われました。

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